Princess Frontier

Twitter縺ｧ縺､縺ｶ繧�縺�

辺境の村で繰り広げる暖かく騒々しい日々

©AXL

騎士候補生である主人公は、式典の最中に王女の胸を鷲掴みするという大失態を犯してしまう。なんとか命だけは助かったものの、辺境の村の国境警備隊に左遷されることに……。その上国境警備隊で待っていたのは、年下の女のコとスケベな老人だけ。さらに、自分は男だと言い張るお姫様まで村にやってきて、平穏な村はにわかに騒々しくなってしまうのだった。

物語はド田舎の小さな村を舞台としたまったりしたもの。村ではいろいろな事件が起こるわけだけど、その1つ1つははっきりいってたいした事件ではない。たとえば、村の女が急に産気づいたけど、1人しかいない産婆がぎっくり腰になってしまってさぁ大変！　というような、本人たちにとっては大事件かもしれないけど、客観的に見ればどうということもない出来事が丁寧に描かれている。そういう小さな感動を積み重ねて、物語やヒロインに感情移入させるやりかたは、本当にお見事。主人公とヒロインがコミカルに右往左往しながら、しだいに信頼で結ばれていく過程はすごくよい感じだね。

さらに、主人公やヒロインを引き立てるサブキャラたちの存在感が素晴らしい。主人公を目の敵にするエリート騎士やオタクな貴族のボンボンなど、普通のゲームだったら悪役になりそうなキャラも出てくるんだけど、そいつらが揃いも揃ってほどよくマヌケでほどよくお人好し。同ブランドの『キミの声がきこえる』でも書いたことだけど、AXLは男のサブキャラを描くのが上手い。普段はふざけていたり頼りなかったり、口うるさかったりするキャラが、いざというときには命がけで主人公やヒロインのために行動してくれることで物語を盛り上げているんだよね。もし、こうしたサブキャラたちがいなかったら、このゲームはごく平凡な萌えゲーになっていたんじゃないだろうか。

©AXL

システム面では過去のAXL作品とほぼ同じ。メッセージスキップも高速で快適にプレイできた。プレイしていて便利だったのが、シーンスキップ機能。これは1度見たシーンは簡単な粗筋だけを表示するという機能で、AXLのゲームではお馴染みの機能だ。このゲームのシナリオはちょっと長めなんだけど、この機能のおかげで繰り返しプレイすることがまったく苦にならない。CG枚数はカットイン含めて177枚。フルプライスのゲームとしても十分すぎるほどのボリュームだろう。Ｈイベント数は12となっていて、ゲームのボリュームからするとやや少なめかな。これに関しては主人公とヒロインの絆をしっかりと描いてからＨシーンに突入という、このゲームの構成を考えれば仕方のないところではあるけどね。まぁ、Ｈシーンの内容自体は決して薄いわけじゃないので、ヌキゲーを期待しなければ不満は出ないんじゃないかな。

全体としては、派手さや突き抜けた部分はないけれど、ホンワカとした雰囲気を持った良作、というところ。エンディングもきれいにまとまっていて、プレイ後の後味もすごくよいしね。この雰囲気のよさでオススメ度は☆4つ。エロエロなヌキゲーを期待する人にはオススメできないけど、コミカルで暖かい雰囲気の物語が好きという人には是非ともプレイしてもらいたい1本。

   使い方

攻略

目当てのキャラの好感度を上げるような選択肢を選んでいけば、問題なくエンディングに辿り着くことができるはず。エンディングは全キャラにノーマルとハッピーの2種類が用意されている。エンディング分岐は1番最後の選択肢なので、ここでセーブしておけば簡単にエンディング回収が可能だ。

（by Suno）