キミの声がきこえる

Twitter縺ｧ縺､縺ｶ繧�縺�

田舎と都会で二重恋愛

受験に失敗して、浪人生活が決定した主人公。予備校では学園時代の仲間、敷島桜と再会。さらに義妹の飯塚美由紀もやって来て、主人公の生活はますます賑やかに。そんな生活の中、勉強の方はすっかりおろそかに…。すっかりだらけきっていた主人公に元に、海外出張中の父親から連絡が入る。親戚が経営する旅館が人手が足りなくて困っているという。その旅館に手伝いに行けというのだ。この田舎町にある旅館で、主人公は幼なじみでもある旅館の一人娘、南野泉と再会する…。

プレイしていて一番気になったのは、主人公の優柔不断さ。ハーレム系ストーリーでは優柔不断な主人公というのは定番だし、優柔不断でなければ物語が盛り上がらないわけだけど、このゲームの場合、桜も泉も美由紀もゲームスタート時点ですでに主人公にベタボレ状態。主人公はそれを知っていながら引っ張りまくるわけで、ちょっとやり過ぎという感じがする。まあ、それでも決めるべきところでしっかりと男らしさを発揮して決めてくれれば文句はないんだけど、このゲームの主人公は、最後まで友人たちにおんぶに抱っこ。さすがにここまで優柔不断ぶりを見せつけられるとちょっとね…。

©AXL

それから、サブヒロインの扱いも気になるところ。このゲームのメインヒロインは桜、泉、美由紀の3人。それ以外の片思いの相手の久我島美玲、予備校の先輩の桐谷桜花、旅館の女将の南野空子、コスプレマニアの仲居の日比谷富音の4人はサブヒロインという位置づけ。全キャラにエンディングが用意されているんだけど、サブヒロインエンドはメインヒロイン攻略に失敗した場合のバッドエンドに近い。メインヒロインがお気に入りという人ならいいんだろうけど、サブヒロインが好きという人にはツライ内容だ。エンディングの内容も後味の良くないものが多いし。サブヒロインにもキチンとしたルート、エンディングを用意して欲しかったね。

では、プレイしていてまったく楽しめなかったのかというとそんなことはない。特にゲーム前半部分のドタバタはかなり好き。前半部分は主人公の優柔不断ぶりも許容範囲内だったし、なんといってもサブキャラたちがいい味出し過ぎ。プレイ前は気にも止めていなかった男友達連中がいい感じに場をかき回してくれるし、桜花はラブコメの狂言回しとしていい仕事をしている。田舎に行ったら行ったで、桜花の代わりに空子がストーリーを盛り上げてくれる。主人公は優柔不断の鈍感男、桜は素直になれない性格、泉は控え目な性格なので、桜花や空子がいなかったら、物語が全く盛り上がらなかっただろうし、とにかくこの2人の存在感はメインヒロインを食ってしまいかねないほど。ただ、いいキャラなだけにバッドエンドに近いエンディングが惜しかった。

メインヒロイン組に関しては、桜と泉にはエンディングが3種類用意されていて、シナリオも途中から全く別のものになってしまうのが◎。シナリオは遠距離恋愛ルート、同棲ルート、ハーレムルートの3種類があって、個人的には、デレっぷりが尋常じゃない桜の同棲ルートがお気に入り。しっかりして見えた桜が意外と脆くて、頼りなさそうに見えた泉が心が強いというのも意外性があって良かったかな。Ｈシーンもイベント数19と純愛系ゲームとしては健闘した方だし、内容的にも実用性はまずまずという感じ。ただし、アナルが数回あった以外はごくノーマルなプレイのみだ。

ゲームシステムは一般的なコマンド選択型AVG。共通ルートは結構長めだけど、1度見たイベントはあらすじだけを表示してスキップすることができるので、繰り返しのプレイも全く苦にならない。もちろん、普通のメッセージスキップも可能。AXLの前作『ひだまり』のレビューでクイックセーブがないのがマイナスと書いたけど、今作ではクイックセーブも搭載され、システム面では特に不満はナシ。環境によってはバックグラウンドから復帰させるときにもたつくこともあるけど、自分のメイン環境ではストレスになるほどのもたつきはなかった。

個人的には桜がお気に入りだったことと、ゲーム前半のドタバタが楽しめたのでオススメ度は☆4つとした。優柔不断な主人公が嫌い、メインヒロイン3人以外がお気に入りという人には勧めにくいけどね。メインヒロインの3人が好きで、ラブコメが好きという人にはオススメ。

   使い方

攻略

ルートは桜同棲、桜遠距離、泉同棲、泉遠距離、ハーレムの5種類。富音は桜遠距離、美玲は桜同棲、空子は泉同棲、桜花は泉遠距離からの派生となる。ハーレムルートは桜、泉、美由紀の3つに分岐。すべてのエンディングを見ると、タイトル画面からExtraが選択可能になるので、これをプレイすれば攻略完了。Extraでは選択肢は出てこない。

（by Suno）