とらぶる＠ヴァンパイア！

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新任教師が吸血鬼の下僕に

©Tactics･luxury

長年の夢が叶い、名門女子学園の教師になった主人公。ところが、主人公は学園の問題児・姫獅子獅音とその仲間のいるクラスの副担任になってしまう。その上、獅音は吸血鬼で、ひょんなことから主人公は獅音に血を吸われ、下僕なってしまうのだった……。それでも、傲岸不遜な獅音たちをなんとか更生させようと、主人公の悪戦苦闘の教師生活が始まった！

まずはシステム面のチェックから。設定可能なのはメッセージの既読スキップやエフェクトのオンオフなど、必要最小限と言ったところ。とはいえ、特に変わったゲームシステムを採用している訳でもないので、大きな不満はないかな。クイックセーブくらいはあっても良いかなと思うけどね。少々気になったのが画面エフェクトの重さ。Netbookなどの非力なPCでプレイしていると、ストレスを感じてしまうかも。まあ、そんなPCでプレイする方が間違ってると言われてしまえばその通りなんだけど。あと、エンディングのスタッフロールがスキップできないのは不満。せめて2回目以降のプレイではスキップ可能にして欲しかった。

ゲームの内容に関しては、キャラの設定を生かし切れていないなと言う印象。メインヒロインである姫獅子獅音、凍條覚夜、蒔耶閏美の3人は吸血鬼。これはタイトル通りだし、主人公は獅音に血を吸われて下僕になってしまうわけだけど、吸血鬼らしいのはそこまで。後は特にヒロインが吸血鬼である必要を感じさせないんだよね。別に吸血鬼じゃなくても強化人間でも超能力者でも良かったんじゃないかと。もうちょっと吸血鬼であることを活かしたイベントがあっても良かったんじゃないかという気がするね。それと、このゲームは至る所で伏線を張り、トゥルーエンドルートで複線を回収するという構成になっているんだけど、すべての謎が明確に解き明かされるということがないため、今ひとつスッキリしない部分が残ってしまう。プレイヤーの想像に任せると言うことなのか、続編が企画されているのかは知らないけど、もっと据わりの良い、スッキリしたエンディングを用意して欲しかったかな。

©Tactics･luxury

じゃあ、このゲームのどこが良いかというと、やっぱりキャラクター性なんじゃないかと思う。メインヒロインである姫獅子獅音は傲慢で唯我独尊、ツンデレなキャラなわけだけど、そう言うキャラって一歩間違うとプレイヤーに不快感を与えてしまうことが多い。でも獅音の場合は不快感を感じる一歩手前で踏みとどまったという感じなんだよね。傲慢な台詞を言いながらも、照れが見え隠れしているところも良い感じだし。それは獅音以外のキャラも同様。無骨な拙者娘の覚夜も飄々としてなにを考えているか分からない閏美も、個性を強調しつつ不快感を感じないギリギリのところに収まっている。主人公にしても基本は熱血なんだけど、暑苦しくない程度に収まっているので、不快感を感じることはないんじゃないかな。ヒロインキャラではないけど、覚夜の姉の凍條神楽のヤンデレっぷりも良い味を出している。できれば、神楽単独ルートも造って欲しかったかな。それと、良い意味で期待を裏切られたのがバトルの熱さ。個別ルートでは天音ルート以外は敵とのバトルがメインになってくるんだけど、そのバトルが思った以上に熱い。その分、ドタバタでラブイチャなコメディという雰囲気が薄くなってしまったのは残念な部分ではあるんだけど……。

全体を通してみれば、突出した部分はないけどバランス良くまとまった良作といったところだと思う。たくさんのゲームをプレイしてきたコアなゲーマーには物足りなく思われてしまうかもしれないけど、拒否反応を示してしまう人も少ないんじゃないかな。というわけでオススメ度は☆4つ。純愛系のストーリーが好きで、定番的なストーリーが好きという人は是非。

   使い方

攻略

初期状態でキャラの攻略順などは特にないので、好きなキャラクターからプレイしていって問題ない。選択肢は目的のキャラを優先するものを選んでいけばOK。姫獅子獅音、凍條覚夜、蒔耶閏美の3人をクリアするとタイトル画面に「TRUE ROUTE」という選択肢が出るので、これをクリアすればゲームクリア。「TRUE ROUTE」には選択肢などはないので、メッセージを読んでいけばクリアできるぞ。

（by Suno）