絶対女子寮域！

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女子校で出会う大切な仲間たち

物心がつく前に両親を失った孤児である主人公の蓮は、6年前にじいちゃん――天宮正に養子として迎え入れられた。初めて感じることのできた家族に幸せを感じて過ごしていた蓮だったが、病気を患っていたじいちゃんが亡くなってしまう。そこへじいちゃんと昔馴染みだという波多野和子が現れる。じいちゃんとの思い出の詰まった家を手放したくないが、膨大な額の相続税を払うどころか学費の支払いすら心許ない。そんな蓮に和子さんが引き合わせたのは八幡女子学院の学園長である彰人だった。蓮を女のコと間違えてお見合いとして会うことになったのだが、ウホッな彰人は蓮の正体を知って大喜び。気に入った蓮を近くに置いておきたいという下心から、学園への編入手続きをしてくれることに……。かくして、蓮は女装して八幡女子学院に通うことになるのであった。

© 2008 highsox

お嬢様学院に転入して、女子寮生活をすることになるというラブコメ作品だ。寮は2人部屋であり、女子校の寮なんだからルームメイトは当然女のコ。ドッキドキの展開が期待できるってわけだね。そこに惹かれて買いに走ったんだから裏切られたら困るぜ〜〜、と思いながらワクワクと期待してプレイをしたなりよ。ちなみに、購入店で本作の隣に置いてあった同じように女子校に通う設定の『オトメ*スマイル』も衝動的に買ってしまったのは内緒だ。

メインヒロインとなるのは4人だ。男嫌いで素直になれない性格だけど、困っている人は放ってけない波多野梗花。ルームメイトでいつも礼儀正しいが、かなりマイペースで大雑把な和泉楓。風紀委員兼寮長でみんなの心を穏やかにする雰囲気を持った四之宮友子。その友子を慕う風紀委員の後輩八島春海。いずれも個性的で物語を盛り上げ、活躍をしてくれる。脇役だが梗花の兄で学園長の彰人もいい味を出していて、蓮たちをかき回すように活躍している。彰人の同性愛者的な設定はネタで冗談といった感じだから、マジで主人公が犯られちゃうようなことはないのでご安心を。個性的なキャラにしたかったんだろうけど、別の方向で個性を打ち出すことも可能だったんじゃないかとも思うかな。

© 2008 highsox

なお、女装をしていることは驚くべき早さで露呈する。しかも男嫌いの梗花にバレるという素晴らしくスリリングな展開だ。転校生お約束の取り囲まれての質問攻めなどは、クラスの女のコたちは梗花から正体を知らされていて本当に男なのかを確認。そして梗花以外は全員一致で正体を隠すのを手伝っちゃおう的な方向へ進んでいく。あまりにも派手にバレていて衝撃的だったなりよ。クラスでは意図に反する反応で蓮の追い出しに失敗した梗花は、寮長の友子や春海、楓にも正体をバラして追い出しにかかろうとするなど、次々と嫌がらせをしてきてハラハラさせてくれるね。

ネタバレするとこれからプレイする人がコメディを楽しめなくなっちゃうから、序盤の上記部分までの紹介にしておくけれど、個人的な感想としてはコミカルでテンポよくストーリーが進んで非常に楽しめる逸品だった。ほどよい程度で終盤にシリアスな話が入っているし。Ｈシーンが終盤に少しあるだけというのは、まあラブコメ目的の場合はしょうがないのかなぁ。

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友子ルートはオーソドックスなラブコメの作りで安心してプレイできる感じだった。友子ルートの途中から入れる春海ルートは思い込みが激しくて素直じゃないヒロインに翻弄されてしまう学園生活を見ることができて楽しめたかな。そして梗花ルートは春海以上に素直になれない梗花なわけで。学園から蓮がいったん追い出されるような展開と、追い出したのをやりすぎたと反省した（？）あとの梗花の行動がまわりが驚くほど変わるデレデレがおもしろい。楓ルートは過去に囚われている楓を救おうという仲間たちの友情を楽しめることだろう。

システムのほうは一般的な行動選択型のゲームで、一度選んだ選択肢は色が変わるし、ほとんどの機能がうまくメッセージ枠に配置されていて機能的だ。クイックセーブなどの各種機能を実行したときの確認の有無も設定できるので、かなりプレイヤーの好みに合った設定でプレイすることができると思う。CPU負荷もAtom N230(1.6GHz)でも3〜5％程度ぐらいまでと軽いので不満を感じる部分はないんじゃないかな。友子ルート最後のほうに「@chgb "bs_aki01d1"」なんて表示されて「あぁ〜、立ちキャラの表示制御のミスだろうなぁ〜」なんてのがあったけど、すぐに修正ファイルが出て直るでしょう、たぶん。なお、CGモード枠は76個でシーン回想は14種類だった。やっぱりラブコメなどの萌え系だと鬼畜系に比べてシーン数が少ないんだよね。まあ、楽しむ部分が異なるから単純比較はできないんだけど。

© 2008 highsox

ヒロインが4人と少なめだけど、女子校に通うという非日常的なシチュエーションが好きな人にお薦めしたい作品だ。個人的には主人公があっさり男だとバレるという展開がかなりの誤算だったが、コミカルで楽しくプレイできたので自分は満足できた。自分がラブコメ好きというのもあると思うけどね。ここ3カ月ぐらいのうちに自分がプレイした作品中では一番ツボにハマった。ドタバタなラブコメが好きな人はぜひプレイしてみてほしい。ハーレムエンドがないのが残念だけどね。

ただ、作品内容とは関係ないことなんだけど、パッケージが一般的なサイズと比べて縦27mmぐらい、横20mmぐらい大きいのが困るんですよね。イレギュラーなサイズは収納するときにちょっと……。皆さんもそう思いません？　いきなり収納で悩んでいたりするですよ。イレギュラーなサイズにするときは2重になるけどパッケージ内に製品をDVDトールケースで入れておいてくれると嬉しいなぁ〜。省スペースも考えて自分は紙箱をあきらめてそっちで保管できるから。

   使い方

攻略

各ヒロインのエンディングを迎えると、「おまけシナリオ！」でエンディングを見たヒロインのエピソードをプレイ可能になる。後日談的なものなので、エンディングを見たらすぐにプレイするのがよいかと。友子先輩を最初にクリアしているチャートになっているのは、単に一番ツボにハマって好みのキャラだったから最初にエンディングを見てしまっただけであります。どのキャラからでも攻略は可能。

（by 天城螢）