夏空カナタ

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常夏の島で見つける真実とは？

©ゆずソフト

塔弦島は沖縄と同じ緯度にありながら、1年を通して真夏並みの気候が続く常夏の島。そんな島に冬休みを利用してやって来た主人公は、叔母の経営するペンションでアルバイトをすることになる。幼なじみの三好由比子や、島で出会った上坂茅羽耶、七条沙々羅と触れあう中で、主人公は島の秘密に触れていくことになる。

公式HPを見ると、障害を持ったヒロインとの純愛AVGかと思ってしまうけど、実際は島に隠された秘密を巡る不思議系AVG。まぁ、純愛系ゲームであることは間違いないけどね。最後までプレイしてもすべての謎が明らかになる訳じゃないので、スッキリしないという人もいるかもしれない。また、全部のヒロインが幸せになるハッピーエンドがないというのも気になる人は気になるかも。茅羽耶エンドでは沙々羅が不幸になっているし、沙々羅エンドでは茅羽耶が不幸になっている。由比子エンドでは茅羽耶と沙々羅の両方が不幸になっているはず。ヒロインの不幸は直接描写されないけど、島の秘密などを考えれば、全ヒロインが同時に幸せになることはあり得ない。でも、このゲームに関してはそれで良かったんじゃないかと思う。このゲームの主人公は、なんの力もないただのペンションのアルバイト。そんな主人公がヒロインと2人で運命に立ち向かうというところが、このゲームの最大の魅力なんだろうしね。

主人公と言えば、ゆずソフトのゲームは「CGや基本的なストーリーは悪くないけど、主人公がヘタレで感情移入できない」というものが多かった気がする。でも、今作の主人公は非常に魅力的に描かれている。ごく平凡な人間である主人公が、しっかりとした意志を持って困難に立ち向かう姿はなかなかに好印象。完全無欠なゲームを作るのは難しい、というより不可能だと思っているんだけど、少しずつではあっても欠点を解消してよりよいもを作っていこうとするゆずソフトの姿勢は好感が持てる。

©ゆずソフト

ただ、良いところばかりじゃないのも事実。まず、攻略可能ヒロインが3人というのはいいとして、1人1人のシナリオが少々短い。ヒロイン数が多ければこれくらいの長さでも良いけど、ヒロインが3人という事を考えると、もうちょっとボリュームが欲しかった。さらにヒロインが3人と少ないことに加え、その中の由比子シナリオは他の2人に比べて明らかに見劣りしている。となると楽しめるのは茅羽耶ルートと沙々羅ルートだけということになってしまい、ますますボリューム不足感が強くなってしまう。もっとも、物語を引っ張りすぎてストーリーが間延びしてしまっても困るわけで、そのあたりのバランスは難しいと思うけどね。

他にもＨシーンが少ないとかもあるけど、これはこのゲームの性格を考えれば仕方ないと言うか、当然でもあるので特に欠点とはならないかな。とりあえず、エロを重視せず、ちょっと切ない物語が好きという人にはオススメできる。個人的には沙々羅ルートが結構楽しめたので、オススメ度は☆4つというところかな。

   使い方

攻略

選択肢の数がそれほど多くないことに加え、判断に迷うものもないので、ルート分岐は分かりやすいと思う。ただし、茅羽耶ルートは1回目のプレイでは必ずエンド1になることに要注意。エンド1を見たあとに、再度プレイすると選択肢が追加され、エンド2を見ることができるようになる。チャートのカッコ内の選択肢は1回目のプレイでは出てこないものなので、その場合は無視して構わない。沙々羅ルートもエンディングが2つあるが、こちらはクリア順は決まっていないので、どちらから見てもOKだ。

（by Suno）