玉繭〜魅せられた蜜の糸〜

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闇の力に覚醒し世界を統べるか？

©Stellar

主人公のクラスに転入してきた坂下祥子は、その美貌で瞬く間に男子たちを虜にしてしまった。主人公も祥子の美貌に心惹かれつつも、「しょせん高嶺の花、自分には関係ない」と割り切っていたのだが……。なぜか祥子は主人公に好意的で、積極的にコミュニケーションを図ってきた。そんなある日、祥子は思いもかけぬことを言い出した。「貴方には闇を統べる能力があり、私はマスターである貴方に仕えたいのです」と……。目の前で魔力を発動させた祥子の姿を見て、主人公の疑念は確信へと変わっていく。はたして主人公は、闇の眷属を統べる魔王の運命を受け入れるのだろうか？

このゲームは2002年に発売されたフルプライスソフトのDL版で、お値段は税込2940円というお買い得価格に設定されている。ストーリー設定としてはオカルト色濃厚な印象を受けるが、実際プレイしてみると恋愛AVGの要素が強いね。魔王化した主人公が、魔力や触手を駆使して女のコをガンガン凌辱していくような展開ではない。主人公の能力は覚醒段階にあり、使える能力は「邪眼」などごく一部。力を悪用するシーンもあるにはあるが、隣室で自慰してる義妹の姿を透視したり、女子トイレを覗いたりするようなレベルのモノ。圧倒的な闇のパワーで女のコを蹂躙する、爽快感ある痛快凌辱劇を期待してると裏切られることになるかも。

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ゲーム内容はＨ重視というより、ストーリー重視の作品という感じかな。闇の眷属の長として祥子と共に生きるか、人間のまま義妹や幼なじみたちと生きるか……そこら辺の心の葛藤を楽しむ作品だ。演出的に上手いと感じたのは、忠誠心旺盛な祥子が即本番Ｈをさせてくれないところ。全ての能力を覚醒させるためには、満月の夜に祥子の処女を奪う必要があるのだ。それまではフェラやアナル奉仕で我慢、という日々が続くのねん。この待ったがかかった状態が続く設定のおかげで、拙者の早く闇に堕ちたい願望が沸々と湧き起こって、主人公に対し親近感を抱けて感情移入しやすかった！　女王様におあずけを喰らったＭ男的な楽しみ方が出来る人は、さらにテンション上がるかも？

全体的に手堅くまとまってる作品だと思うが、ちょっと残念なのがストーリー構成。共通ルートである重複部分が多いので、繰り返しプレイ時のスキップ率が高いのだ。ラスト付近になってから展開が少し違うという構成だと、祥子以外の女のコと結ばれたときの感動が薄まってしまう。もっと個別ルートを肉付けし、中盤以降からはヒロイン個別の独自展開を用意すべきだと思う。また、光と闇の戦いも、演出がちょっと貧相に感じた。不良学生に宿った闇の眷属たちはセリフだけの登場。目つきが妖しい野郎の立ちキャラや、いかにも魔族的な立ちキャラを描いても良かったと思う。世界の運命を左右する事件が起こってるのに、光と闇の両陣営から介入してくる人物が少なすぎる。もうちょっとオカルト設定を活かした演出が欲しいところだ。総論としては、オカルト色が薄めな作風ゆえ、誰にでも楽しめる敷居の低さが魅力と言える反面、コアなユーザーには物足りなさを感じる、といったところかな。まぁ、物足りないと言っても、再販価格を加味すれば十分納得できるレベルのもの。絵柄と設定が気に入れば、十分元を取れる作品だと思うよ。

   使い方

攻略

各キャラを優先した選択肢を基本的に実行していけば、エンディングを見るのは比較的簡単。しかし、CG差分の回収要素などもあり、100％はちょっと難しいかも。コマンド（コマンド）部分は、クイックセーブを利用し差分を回収してほしい。ちなみにVista正式サポートをしてないが、無事クリアできました。

（by イ・ヤン提督）