操心術＋

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他人を操る力を得た2人の戦い

サークルの先輩である蒼原美桜乃を相手に催眠術を試した霧生悠斗は、ノリのよさで催眠術にかかったフリをしてくれた彼女にエッチな命令を出してボコボコにされる。それから2年、携帯に届いた不審なメールの指示に従ってコインロッカーを開けた彼は精神操作薬HYP-666の試供品を手にした。付属の説明書によると、この薬を飲むだけで他人を操る力を手に入れることができるのだという。ただし、有効なのは薬を飲んでからわずか10分間で1日1回しか使えないなどの制約があった。さっそく手近な相手で試してみた悠斗は薬が本物であることを実感する。薬を提供してくれた相手の送ってきたサイトのアドレスには、蒼原美桜乃とその姉の家族のデータが用意されていた。薬を送ってきたのは何者かわからないがその情報を元に美桜乃への復讐を決意するのだった。

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制約がキツい薬という設定や、同じくヒロインたちを薬で支配しようとしているライバルの存在がストーリー上の見どころとなっています。いかにしてライバルを出し抜くかというあたりもストーリーをうまく盛り上げてくれるのでGoodです。ただ、ライバルとの支配合戦で、支配レベルが同レベルなのに負けているとかメッセージが出てきたりするなどのシナリオ不整合があるのが残念。ライバルと競っているというだけにこのミスはかなり目立ちます。ちなみに支配レベルは3段階になっていてレベルが低いと無理な命令は拒絶されて正気に戻るおそれがあるってのも味付けヨシ。一発で完全支配とはならずに徐々に堕とさねばならないというのがたまりません。

人格、常識、趣向などいじり放題となるので、軽いモノからいろいろ無茶なモノまで相手を操っていくシーンがあります。その中には電柱を相手に発情させるなんていうスゴイのまであって、ぶっ飛んだ命令がプレイヤーを楽しませてくれることでしょうね。ただ、TRUE ENDを見ても、誰が何のために精神操作薬を送ってきたのかがわからないので、謎が全部残ったまま終わってしまう点が気になる人もいるかもしれない……。個人的にはその点が不完全燃焼でした。

この作品にはCGモードはないので回想で見ていくことになります。その回想は1ページ12シーンで4ページ。ただし、最終ページは半分の6枚のようです（色々選択肢を変えて試したけど新たな展開が見あたらない）。回想の登録される部分も登録されない部分も同じ枠で用意されているので不親切ですね。この点は今後改善してもらいたい点といえます。各シーンはサムネイル上にカーソルを持っていくとシーン名が表示されるので、どういうシーンかは回想を開始する前にわかるんじゃないかな。プレイ中に気になったのが、セーブ、ロード、スキップなどの機能がゲーム画面に配置されていないので、いちいちメニューから選ばないといけないということ。これではちょっと使い勝手が悪いんで今後の作品では改良が望まれます。自動セーブも仕様が変で、選択肢が出現したら保存されるところまではよいのですが選択肢を選んだあとに自動保存されることがあり、さっきの選択へ戻りたいというときにアテにならないので事実上使い物にならないです。一度選んだ選択肢は次回以降グレーで表示される仕様のようですが、すでに選んだものが普通に白で表示されたりすることもあるのでバグっている可能性がありますね。

マニュアルはキャラクタ紹介とあらすじがメインで、キーボードショートカットなどの説明は皆無です。その上、注意事項として「本編のビデオ再生におきまして、Microsoft標準のコーデック（OS付属のコーデック）以外（"ffdshow"や"PowerDVD"など）では正常に起動（再生）できない場合があります。これらのソフトをもしインストールしている場合は、アンインストールしてください。」なんておそろしいことが書いてあります。PowerDVDはDVD再生のためにプリインストールされて出荷されているPCが多いわけですが、これをアンインストールしろという指示を危惧せずにはおられません。これを見てアンインストールしたユーザーがDVDを再生できなくなったらどう対応するのでしょうか？　非常に気になります。ちなみにffdshowもPowerDVDもインストールしている環境でプレイしましたが特にビデオ再生には問題は出ませんでした。コーデックの衝突（DirectShowFilterの優先度の問題）を危惧しているんでしょうけれど、それはffdshowやPowerDVDよりも、いわゆる開発元以外が適当に詰め合わせている（客観的に見て）危険なコーデックパック(CodecPack)をインストールした場合に起こる問題ではないかと……。トラブルシューティングじゃないところでそういう記述があるわけで、プレイする前にアンインストールする初心者がいそうなんですけど大丈夫なんでしょうか？

作品のほうは催眠状態であれこれと細かい潜在意識を植え付けて、じわじわと相手を責めて堕としていくというのがたまらないという催眠モノが好きな人にお薦めです。比較的安くてお得感もありますからね。ただこれ、「操心術＋」というタイトルからわかるように、「操心術」に若干のシナリオを追加した作品です。新規イベントとして回想シーンが2カ所、CGは差分なしで4枚ほど増えているだけなようなので、「操心術」をすでに持っている人にはお薦めできないかな。よほどこの作品が好きでわずかな追加でも気になるというのであれば止めませんけどね。

   使い方

攻略のアドバイス

申し訳ありませんがコンプリートできずにギブアップしました。いろいろ試したつもりだけど、春生のシーンが1つ回収できないもので……。（ほかのシーンでは展開がなさそうなので）おそらくシーン的には学園あたりのイベントだと思うんですが、学園に乗り込むまでの選択肢をいろいろ変えてみたものの発生しないので挫折。その1カ所以外はチャートの通りにプレイすれば埋まります。

催眠状態に落とすキーワードの指定が所々にありますが、こだわりがなければ特に変更をする必要はないかと思います。ルートは春生から攻略するか美也子からにするかで2つに分かれているのですが、美桜乃の攻略から2つのルートは合流して最終的なエンディングは同じものへと流れていきます。どちらのルートも最初のクリア時は春生・美也子・美桜乃の3人とのHAPPY ENDとなり、もう一度クリアすると麗も加えたTRUE ENDになるのがちょっと注意すべき点かもしれません。でもそのようなのはまだいいほう。本作はTRUE ENDを見たあとにゲームを最初から始めて（ロード不可）春生ルートをクリアしないとシーンが1カ所漏れるので繰り返しプレイする必要があるので気をつけましょう。回収時には寄り道せず、まっすぐにエンディングを目指して構いません。いやはや、これに気付かずに3〜4日ハマってしまいました。意地悪すぎですぅ〜。って、まだ1個がどうしても埋まらずに挫折しているんですけどネ……。

（by 天城螢）