七彩かなた-夏休み！ドキラブバカンス夢冒険！-

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閉鎖された遊園地で時空を超えた大冒険！

主人公・西乃木涼一は夏休みに仲間たちと閉鎖された遊園地、ホウライMAZEに探検に行くことになった。ホウライMAZEは7つの怪奇現象に悩まされて閉鎖されたというウワサのあるテーマパーク。ホウライMAZEで涼一たちを待っていたのは七不思議どころか、タイムスリップ！　平安時代にタイムスリップしてしまった涼一たちは、元の時代に帰ることができるのだろうか!?

プレイを始める前に、修正差分をチェック。このゲーム、修正差分を全部当てると60MBオーバー。ネット環境がブロードバンドの人は問題ないけど、ナローバンドの人は泣きが入る容量。さらに差分を当てるとそれまでのセーブデータは使えなくなるという仕様。詳しい理由はあとで書くけど、最初からやり直しというのはかなりキツイゲームなので、このあたりはもうちょっとどうにかならなかったのかなぁ…。少なくとも大きなマイナスポイントであることは確かなので、次回作ではこんなことにならないように、発売前にしっかりとチェックしてほしいね。

©千世

さて、実際のゲーム内容はタイムスリップしてしまった主人公たちが、平安時代のお姫様、菫姫とその従者の夕日に出会い、自分たちの時代に帰るために奮闘するという内容。主人公たちの状況はかなりシリアスなものなんだけど、決して暗くならず、明るいドタバタラブコメディが繰り広げられる。イベントの内容はどこかで見たことのあるようなお約束ものばかりなんだけど、1つ1つのイベントをしっかりと丁寧に描いていて、まさに王道というか安定感のあるシナリオ。コメディというと他の作品のパロディに走ってしまうゲームが少なくないけど、このゲームはパロディネタはほとんど無いので、その点も素直に楽しむことができた。そしてなんと言ってもイイのがキャラクターがしっかりと立っていること。個人的にお気に入りだったのが、平安のお姫様の菫姫。主人公たちと付き合ううちに現代の言葉を覚えて、だんだん言葉遣いが悪くなっていくのがなんとも言えずイイ感じ。「メガ無礼者。わたくしの心は全米が震撼するほど傷つきました」って（笑）。全体的に本当に丁寧に作られている良作って言う感じですな。

ただ、人によってはシリアスにならないというところに違和感を感じてしまう人もいるかも。物語の終盤、主人公たちは早急に事態を解決しないと、自分たちの存在が危うくなってしまうという状況に追いつめられてしまう。かなりの危機的状況のはずなのにサバゲーをやって遊んでいたりして、本当に自分たちの状況が分かっているのか？　と思ってしまうところもあったりする。このあたりはシリアスな物語が好きかどうかで好みが分かれてしまいそうだ。あと、ヒロインの1人である出水祭が主人公の涼一と恋人同士にはならないという点も好みが分かれるかも。祭エンドは祭の幼なじみの金田国丸とのもので、祭ルートでは途中から国丸視点で物語が進んでいくことになる。まあ、このあたりは千世のゲームではお約束の展開なので、予想の範囲内ではあるんだけどね。

このゲームの最大の問題点はメッセージスキップの使いにくさ。このゲームは一言で言うとループもの。いろいろと事件が起こり、最後は物語初日に戻ってしまうというシステム。同じ時間軸を何度も繰り返しプレイすることになるわけで、当然、同じイベントを何度も見ることになる。ところが、周回を重ねるごとに何かが少しずつ変化していくようになっているので、2回目、3回目のプレイでもメッセージスキップはほとんど役に立たない。周回を重ねると全く違う物語になるというのならともかく、微妙に違う程度でメッセージスキップを使えないというのは、正直ツライ。修正差分を当てると、古いセーブデータが使えなくなってしまうので、余計にそう感じてしまった。もちろん強制スキップは可能だけど、そうすると未読部分までスキップしてしまうし。トータルのプレイ時間が長いゲームなのだから、メッセージスキップの使いやすさをもう少し考えてほしいところだ。

いくつか難点はあるものの、それを差し引いても十分に良作といえる作品。お約束を丁寧に積み重ねてキャラを立てるところなどは、かなりイイ感じに仕上がっている。これまでの千世ファンはもちろんだけど、これまで千世の作品をプレイしたことがない人も是非プレイしてもらいたいゲームだ。

   使い方

攻略

このゲームは攻略順が決まっているので注意しよう。攻略順は、ひまわりノーマルエンド→九菜ノーマルエンド→（祭ノーマルエンド、夕日ノーマルエンド）→菫ノーマルエンド→ひまわりトゥルーエンド→その他のキャラのトゥルーエンドの順となる。ひまわり以外はノーマルエンドルートの最後の選択肢でセーブしておけば、トゥルーエンドの回収が楽になる。

（by Suno）