ヴァリスX 〜優子・もうひとつの運命〜

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穢されるヒロイン優子

夢幻界の危機を訴える夢を頻繁に見るようになり、その夢でヴァリスの戦士といわれていた主人公の優子。おかしな夢だと思いつつ、現世では親友の麗子に援助交際をやめるようさり気なく諭したのだが、その日から彼女との会話がなくなってしまう。それからしばらくし、雨の日のバス停で麗子からお別れの言葉を聞いた優子は、その直後に見知らぬ世界へと飛ばされてしまった。そこで突然暗黒界の王であるログレスから試練を与えられ、優子は未知のバケモノと戦うことになってしまう……。はたして彼女の運命はどうなってしまうのか？

©TELENET JAPAN 2006 / eants inc 2006

かつてPC-8801用のゲームとして『夢幻戦士ヴァリス』という美少女がヒロインのアクションゲームが存在していた。今からして思うとゲームバランスはあまりよくなかったような気もするが、当時はそれなりに人気を獲得したゲームだった。その外伝的続編が本作という感じになる。

『ヴァリスX』シリーズ一作目にあたる本作は往年のユーザーが期待してプレイしたのではないかと思われるが、残念ながらイマイチ出来のほうがよろしくないようだ。アクションゲームが元であるものを通常のコマンド選択式のゲームにするには、その緊迫感などの演出をどのようにするかという点でシナリオライターに過大な負担がかかることは容易に想像できる。だが、毎月発売5連作ということでおそらくシナリオライター本人が納得できないレベルでの納品となったんじゃないかと……。戦闘はあまり盛り上がらない感じだし、唐突にエッチが始まったりする部分もあるし、もうちょっとなんとかならなかったのかなと思う。

おそらく最大の問題は、オリジナルを知らない人がいきなり置いていかれそうな急展開で始まっているということ。発売からまだ2〜3年とかならともかくとして、オリジナルが発売されたのは2桁以上前です。これでは当時の記憶があまり残っていない人には唐突で突き放される印象を与えるんじゃないかと。まあでも、当時のヒロインがレズったり犯られまくるという禁断の魅力に惹かれて買うという作品ですからね。一応大丈夫なのかな。オリジナルのイメージをぶち壊すような優子の告白も終盤にあったりして、オリジナルを知っている人には面白い部分もあります。そこはそもそもイメージ壊されるのが嫌な人はプレイしようと思わないだろうから問題ないかな。

1800円とか2000円を切る価格設定ならばその価格帯の標準レベルからするとボリューム的には同程度で、CGのクオリティーは高いほうかなと思うんだけど、現実にはもっと値段が高い。その上シナリオのボリュームもないからマイナス面が目立ってしまう。だが、なかなかシチュエーション的には美味しいところもあるから、コストパフォーマンスが悪いことを我慢できるようならば買ってみるのもありなんじゃないかと……。もしかすると、全5作が揃った時点で全部をまとめて1本にしたパッケージ版として一般的な価格で販売するという計画があるのかも……と憶測してしまった。

お薦めということになるとちょっと難しいですね。壊れていくヒロインを見たい人はどうぞという感じでしょうか。まあ、過剰な期待を持たずにプレイしたならば「こんなものかな」という印象になるかも。ちまたで評判が悪く、逆に気になって怖いもの見たさでプレイしてしまった自分としてはそんな感じでした。

   使い方

攻略

選択肢の出現回数が少ないが、メガスの命令を聞くかどうかと、ヴァリスの戦士としてふさわしい行動を取ったかどうかでエンディングが分岐している。完全正解でないとノーマルエンドになってしまうので意外に手こずる人もいるかも？

（by 天城螢）