AVキング

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アダルトビデオで借金を返済！

年齢＝彼女いない歴という主人公、火祭清十郎は、転校生の鈴原都に一目惚れ。学園を休んだ都のアパートを訪ねてみると、そこにはヤクザからの借金取り立てのための張り紙が…。話を聞くと、都の父親が借金を作り、そのまま蒸発してしまったというのだ。途方に暮れる都と清十郎の前に現れたのが、AV制作会社の社長兼監督の実装寺シゲヲだった。実装寺は2人にAVの男優、女優として金を稼ぐことを持ちかけるが!?

ゲームはマップを移動しながらさまざまなキャラに会い、イベントのフラグを立てていくAVGパートと、ビデオを撮影する撮影パートを繰り返しながら進んでいく。登場するキャラの数が非常に多く、そのキャラの大部分が実在の人物やアニメなどのパロディになっているので、元ネタが分かるとそれだけでも楽しめるね。さすがに主人公の清十郎やヒロインの都は完全オリジナルキャラだけど、こちらもいい意味でエルフらしい熱血キャラ。ストーリー面で凄いどんでん返しというのはないけど、熱血系主人公にふさわしい勧善懲悪の物語を楽しむことができる。複雑なストーリーの作品も悪くはないけど、こういうシンプルなストーリーも新鮮な感じだしね。

©エルフ

ゲーム自体はマルチエンドだけど、ヒロインとなるのは都1人だけ。一応、都以外の女のコともＨすることは可能だけど、エンディングがあるのは都だけだ。一本気で熱血の主人公だけに、簡単に都以外の女のコに乗り換えるというのは不自然だから、これは仕方がないかも。だけど、AVを撮影できるのも都1人だけというのは、ちょっと物足りなかった。できれば3Pモノのビデオなんかも撮影してみたかったな。個人的には委員長のビデオを撮りたかったというのが正直な感想だったりして。

ゲーム面ではさすがエルフという出来。AVGパートでは複数のキャラの絡み合ったイベントが多く、難易度はかなり高め。難易度が高いといっても決して理不尽な難しさではなく、丁寧にプレイしていけばきちんとクリア可能なバランスの取れた難しさ。このあたりのバランス感覚は老舗の貫禄といったところか。撮影パートに関しては自分で撮影することもできるし、監督やカメラマンに撮影を任せることも可能。高得点を狙いたければ自分で撮影し、それなりで良ければ監督やカメラマンに任せてしまえばいいわけだ。そして、この撮影パートがかなりエロい！　最初プレイしたときはカメラワークに忙しくてじっくりとイベントを見ている余裕なんて無かったんだけど、クリア後に使用可能になるフリー撮影モードで見ると、CGの数もかなり多いし、テキストもハイクオリティ。特に都の演技力が上がってきたときなどは堪りませんな。ユニークなのが、自分が撮影したビデオを他のプレイヤーと交換できる機能。まあ、この機能は自分の性癖が他人にばれてしまいそうで、ちょっと怖い気もするけどね（笑）。

ストーリーやゲーム面ではかなり楽しめた本作だけど、システム面ではかなり不満の残る内容だった。というのも、このゲームではプレイヤーが自由にセーブすることができないから。このゲームのAVGパートでは、どこでイベントが起こるかのヒントがほとんど提示されない。当然、プレイヤーはセーブ＆ロードを繰り返してイベントを探していくことになるわけだけど、セーブが可能なのはビデオ撮影が終わったあとだけ。一応、ターンごとにオートセーブが入るけど、オートセーブは自動的に上書きされてしまうので、使い勝手が非常に悪い。さらにゲーム中ではデータをロードすることも不可能で、ロードするためにはゲームを再起動する必要がある。思わずDOS版『同級生』を思い出しちゃったよ。DOS版『同級生』から10年以上経つのに、全く進歩してないってどういうこと？　そして、そうやって苦労してイベントを起こし、撮影が有利になるスキルを手に入れても、2回目のプレイでは手に入れたスキルもクリアされてしまうので最初から全てがやり直し。『同級生』の頃のように1本のゲームに何ヶ月も時間をかけるという時代ならともかく、今はそういう時代ではないわけで。せめて1度手に入れたスキルは2回目以降のプレイでも継承できるようになっていれば、繰り返しのプレイも苦にならなかったと思うんだけどねぇ…。

かなり厳しいことも書いてしまったけど、ゲーム性やキャラクター、ストーリーに関しては、東の横綱とまでいわれたブランドにふさわしい完成度を持っている作品。不満点もこの作品が他のメーカーであれば「まあ、このくらいなら仕方がないか…」と流してしまったくらいのレベル。というわけでオススメ度は文句なしに☆4つ。しっかりと作り込まれた、ゲームらしいゲームをプレイしたいというプレイヤーなら、プレイして後悔なしの1品だね。

（by Suno）