地下鉄封鎖事件「なぜ僕たちはここにいる」

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極限状態に追い込まれたとき、人間の本性が暴かれる

©ルネloves K

クリスマスだというのに突如バイトにかりだされた不運な主人公に、さらなる悲劇が訪れる。なんと、乗っていた地下鉄が落盤事故に遭い、深いトンネル内に閉じこめられてしまったのだ！　生存者は主人公を含め男性2名に女性4名の計6名。力を合わせ脱出を試みたいところだが、極限状態に追い込まれた人々は身勝手な行動を取り始め不協和音が……。徐々に芽生える猜疑心と狂気、そして殺意。閉ざされた地下空間から無事脱出できるだろうか？

このゲームは、2004年の10月29日に発売されたフルプライスソフトで、今回「キャララ!!.CC」から2000円というお買い得特価で再販されることになった。ちょっと難易度が高めなので、攻略付きで紹介しまちゅ。ゲームシステムはいわゆるコマンド選択のAVGとは異なり、落盤事故で立ち往生した電車3両内を歩き回り、脱出の糸口を探し出す謎解きタイプのAVGだ。移動は上下左右どの視点で探索してるかも重要なので、グルグル視点を変える必要があり移動がチョイ面倒だね。マウスパッドを持っていれば問題ないが、マウスオンリーで遊ぼうとすると操作性にやや難アリかな？　移動したい場所をクリックすれば、一発で移動できるシステムの方が喜ばれるだろうね。

©ルネloves K

さて、ゲーム本編なのだが、かなり好き嫌いが分かれるストーリーだと思う。危機からの脱出パニックゲーの主人公といえば、女のコを守ろうとヒーロー役を演じるものだが、本作の主人公は突如感情的になり鬼畜な行動に突っ走るのねん。最初から鬼畜な性格で描いてくれれば、こちらもそのつもりで物語を読み進めていけるのだが、基本の性格設定が平凡な大学生の好青年タイプだけに、あまりの豹変ぶりに唖然とさせられてしまう。密閉空間で女のコと一緒にいると、ムラムラする気持ちは分かる。女のコがオシッコを我慢できず野ションしてる背後から近寄り、思わず凌辱しちゃう行動も共感できる。が、救出後に凌辱したことが発覚するのを恐れ、女のコを殺害してしまうのは主人公らしからぬ行動だ。しかも、女のコを殺めておきながら他のヒロインと脱出し、ちゃっかり幸せを手に入れるって……。

主人公がかなりのゲスっぷりを披露してくれるので、主人公視点で感情移入しながら遊ぶプレイヤーには少し馴染みにくい作品かもしれない。しかし、このゲームのテーマは、「極限状態に追い込まれた人間の醜い姿を描く」なので、好青年な主人公と、暗黒面に突っ走る主人公の落差が大きければ大きいほど人間の醜さが際立つワケだ。ジキルとハイド的な真逆な行動を取ってしまう主人公の姿には共感しにくいけど、ゲームとしてはメリハリがあって面白いと思う。好青年から悪人に豹変し唐突に始まる凌辱シーンや、バッド確定かと思いきやまさかの逆転ハッピーなオチなど予想外な展開を楽しめるので、ありきたりのAVGに飽きている人にオススメしたい。拙者は女のコを殺すシチュエーションが嫌いなのでそこそこの評価にしたけど、2000円という価格を考慮すればお買い得感は高いと思うよ！

   使い方

攻略

ゲームの舞台となるのは、落盤事故に巻き込まれた電車の5〜7車両目だ。各車両は9区画に分割されているので、画面写真のように番号を振ってみた。ゲーム開始直後に主人公が出現する場所を起点の(1)としている。「5(1)」がスタート地点で、5両目の(1)の場所という意味だ。「6(6)→」という表記は、6両目の(6)地点に右向きに移動という意味になる。移動するだけでイベントが発生することもあるが、アクションコマンドを実行するイベントもあるので、そのポイントには「アクション」と並記しているので覚えておこう。整理すると、「車両・位置・向き・アクション」の順、そしてイベント内容を書いてありますんで参考にしてほしい。

※丸数字は環境によっては表示できないため、チャート中ではカッコ書きにしています。

（by イ・ヤン提督）