しゃーまんず・さんくちゅあり−巫女の聖域−
アリスソフト | WindowsXP/Vista/7 | 800x600 |
ダウンロード版:7980円(税込) パッケージ版:8925円(税込) | 1Play10時間 | 属性:巫女、ハーレム |
難易度:5 | 2010/11/26発売 | オススメ:☆☆☆ |
3人の巫女さんと神王を目指せ!
敗戦後、宗教が義務教育化された日本は、入信率99%という宗教大国となった。しかし、それと同時に大小様々な宗教が乱立。ついに政府は「神王」を選び、宗教を統一することにする。そんな中、人の怪我を癒す神通力を持った主人公・真船伊月は、幼なじみの氷野水乃の強引な勧誘によって、巫女ノ杜の「巫女神」に仕立て上げられてしまう。ところが、伊月の神通力は性欲が高まってしまうという副作用付き。その副作用を抑えるため、巫女たちは身体を捧げることになってしまうが!?
©アリスソフト
アリスソフトのフルプライスソフトということでかなり期待してプレイを始めたんだけど、「あれれ?」と思ってしまったというのが正直なところかな。まず、アリスソフトと言えばゲーム性の高い作品を作るメーカーというイメージなんだけど、本作のゲームシステムはかなり作業的になってしまっている。本作のゲームシステムは3人の巫女さんを育成し、敵対する宗教の神様と戦うというもの。これ自体は問題ないのだけど、キャラクター固有の特殊スキルなどがあるわけでもなく、単純にパラメータを上げていけば勝ててしまうという戦略性皆無のシステムのため、ゲーム的な面白さというのがあまり感じられないんだよね。キャラクターごとに特殊な必殺技を持っているとか、倒した敵が仲間になり一緒に戦うことができるようにして欲しかったところだ。また、パラメータの引き継ぎや2回目以降のプレイで出現する強敵など、やり込み要素が全く無いのも物足りないところ。後述するシナリオの問題もあって、2回目のプレイではモチベーションを保つのが難しくなってしまった。
次にシナリオだけど、これはほぼ1本道。どの巫女さんとHをしたかによって、エンディングは変化するものの、メインのストーリーはプレイヤーの選択にかかわらず完全に同じ。例え1本道であっても『ランス』シリーズなどのように壮大な物語が用意されていれば良いんだけど、本作の場合はラスボスがかなり小物というか、尻すぼみな物語になってしまっている。これも複数回のプレイをする気力を保つことを難しくしている原因の1つだ。また、ヒロインを育成して戦うと言えば『超昂』シリーズと同様だけど、戦いに負けるとヒロインが凌辱されてしまう『超昂』シリーズに対して、本作には凌辱要素は一切無い。凌辱要素については賛否両論だと思うけど、物語にアクセントをつける意味でも凌辱イベントがあっても良かったんじゃないかなぁ?
©アリスソフト
いきなり否定的なことばかり書いてしまったけど、「アリスソフトの新作」ということで、期待値が上がりすぎたというのも大きかった気がする。もしもこの作品が他メーカーから発売されたものだったとしたら、評価はかなり変わっていたんじゃないかと思うんだよね。実際、ゲーム前半はヘンな宗教が出てきて、なかなか楽しむことができたしね。そしてなにより、巫女さんたちが焼き餅を焼いて主人公を取り合ったりする様子がとても可愛く描かれていて、ハーレムゲーとしての出来は決して悪くないと思う。Hシーンもラブラブな雰囲気全開で、ラブコメ好きならかなり楽しめるんじゃないかと。主人公の性格も普段は良い意味でアホでスケベ、でもいざというときは決めるという、ラブコメ向きの性格だし。なお、CGは差分抜きで99枚、イベントは75となっていて、十分すぎるほどのボリューム。Hシーンはやや尺が短いものの、それを数で補っているという感じだね。
シナリオ分岐がないことや、イベントが単調であることなど、低価格ソフトの方法論でフルプライスのゲームを作ってしまったという感じの作品。『超昂』シリーズや『ランス』シリーズのような作品を期待するとガッカリしてしまいそうだけど、巫女さんとイチャイチャすることが目的のハーレムゲーとしてなら悪くはない作品かと。難易度もさほど高くないので、ゲーム性の高さ故にアリスソフトを敬遠してきた人にもオススメできるかな。とりあえず、トータルでのオススメ度は☆3つ。ハーレムモノ、ラブコメモノが好きな人に。
(by Suno)