ノーブレスオブリージュ

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2人のメイドさんに守られる日々

唯一の肉親である祖母を亡くし、その遺産であるアパートで暮らしている主人公は、祖母の遺言により「世界中の人から愛される漢」をめざしている。そんな主人公のところに、2人のメイドさんがやってきたことで、彼の日常は一変してしまう。さらに、そんな主人公やメイドさんを狙って、怪しい影が現れるようになり……。

©CLOCKUP

まず最初に、かわいいメイドさんとイチャイチャというのを求めている人は、このゲームに手を出してはいけない。ほぼ確実に後悔することになるだろうからね。それじゃあ、このゲームはどんなゲームなのかというと、バトル＋SFモノというのが正しいんじゃないかと思う。ヒロインもキャラクターデザインこそメイドだけど、ゲーム中での扱いはボディガードに近いんだよね。「戦うメイドさん」というのは当然アリなんだけど、メイドさんっぽいイベントがほとんど無いので、その点に期待すると裏切られてしまうだろう。

もちろん、バトル＋SFというのもアリだと思うんだけど、物語的にどうなのかというと、ハッキリ言って期待はずれだったかな。まず、物語終盤はまさに超展開であること。詳しく書いちゃうとネタバレになってしまうから書かないけど、プレイしていて目が点になってしまいましたよ。終盤で世界観をひっくり返すような展開に持っていくのなら、緻密に伏線を張り巡らして最後にそれをきっちりと回収しなきゃいけないわけだけど、伏線といえるようなものはほとんどなく、数少ない伏線も回収されないままほったらかしになってしまっているんだよね。さらに物語のクライマックスともいえるバトルシーンも酷くあっさりしていて、燃える展開も無かったりするので、物語全体が平坦な印象を持ってしまった。

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それから、シナリオがストーリーを進めるために最低限必要なものだけを小出しにしているのもマイナスポイントだ。例えばヒロインである2人のメイドさんは『ノーブレス・オブリージュ』という組織から派遣されてくるんだけど、『ノーブレス・オブリージュ』とはなにかという説明がゲーム中にはなかったりする。そうしたことについては公式サイトで説明してるからそっちを読めということなんだろうけど、そういうのってゲーム中できちんと説明すべきことなんじゃないの？　一事が万事この調子で、おそらくはなにか壮大な設定があったんだろうけど、説明不足が原因でせっかくの設定がプレイヤーに伝わってこないんだよね。シナリオといえば語尾にやたらと「♪」マークが付くのも気になる。「♪」を使うのは構わないんだけど、キャラクターもシチュエーションも台詞の内容も無視して「♪」が乱舞するのは、目障りとしかいいようがない。

それではＨシーンはどうなのかというと、純愛モノということを考えればこんなものかなというところ。イベントシーンは各キャラ5つずつ用意されていて、イベントの尺も短くはないので、純愛Ｈが好きなプレイヤーなら、それなりに楽しめるんじゃないかな。シチュエーション的にはそれほど変わったものはないけど、全キャラにアナルＨが用意されているのが特徴といえば特徴。ただ、純愛モノのＨシーンではキャラに萌えてナンボというところがあると思うんだけど、それまでの流れを無視するかのように唐突にＨイベントが始まるので、キャラに思い入れを持つのは難しいかも。

基本的な設定などは悪くなかったんだけど、シナリオがそれをまとめきれなかったという印象の作品。シナリオ次第ではでは大化けする可能性もあったと思うだけに、もったいなかった。CGは差分抜きで79枚あり、クオリティは高いので、CGを目的にプレイするのなら悪くはないかな。トータルでの評価は残念ながら☆2つだ。

   使い方

攻略

選択肢の数はそこそこ多いけど、どの選択肢を選べばどのキャラの好感度が上がるのかは分かりやすいはず。天川遊莉亜、霧乃依莉沙、綾瀬絢奈をクリアすると柊ゆかりがクリア可能になる。そして、遊莉亜だけはクリア後、シーン閲覧モードにおまけシナリオが追加される。これを見ればCG、回想共に100％だ。

（by Suno）