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超セレブの学園に入学してしまった庶民派コンビ

©AXL

私立御星向学院学園、通称・高額院は入学するために億単位の金が必要で、選ばれたセレブの子弟しか入学できないという超セレブ学園。そんな学園が特待生を募集し、それに合格したのが根っからの庶民の弓野奏だった。ところが、高額院に入学するためには執事が必要ということが判明。奏は幼なじみの主人公を執事として、学園に通うことになるのだが……？

物語は、前半は庶民である主人公と奏が、自分たちの常識が通用しない学園で、悪戦苦闘しながら仲間を作っていくというもので、後半は仲間たちとともにヒロインの抱える問題に立ち向かうというもの。明るくコミカルで、爽やかなストーリー、おバカだけど気のいい仲間たちという、AXLの良さがよく出ている作品だな、という印象。特に死亡フラグを立てまくり、それをぶっ壊し続けるダリルとか、オタクで熱血で暑苦しい六右衛門なんかの、男キャラがいい味を出しているというのはAXLの伝統といってもいいかも。個別ルートに入ってからも、そうした仲間たちがしっかりとストーリーに絡んでくるのもいい感じだ。爽やかで賑やかな青春ストーリーが好きならば、かなり楽しめそうかな。

©AXL

反対にちょっと残念だったところもある。まず、主人公は執事として学園に入学するわけだけど、この「執事」という設定が物語にあまり活かされていなかったこと。「執事」という設定は、単に幼なじみの奏と一緒に入学するための理由付けにされているだけで、執事らしい活躍がほとんどないんだよね。これだったら、主人公も特待生として入学することになったというのでも、別に構わなかったのでは？　それから、悪い言葉で言えばストーリーがご都合主義であること。これはAXLの悪癖とも言えるんだけど、「そんなことで問題が解決しちゃっていいのかよ？」と言いたくなるような展開が多い。もう少し主人公たちが問題解決に向けてあがく様を見せてくれれば、印象が変わると思うんだけどね。もっとも、そういう部分をあまり強調してしまうと、「明るく爽やか」というAXLの良さがスポイルされてしまうだろうし、そういうものだと割り切ってプレイするのが正解かもしれないけどね。

Ｈシーンは弓野奏、御星更紗、セーラ・アップルトン、秋津原瑞穂のメインヒロイン組は各キャラ3つ、サブヒロインである笠置霧子は1つ用意されていて、純愛系ゲームとしては並といったところか。ただ、CGのクオリティやテキストなどは文句なし。特にCGはかなり気合いが入っている感じで、これだけでもプレイした価値があったかな、と。ちなみにCG枚数は差分抜きで177枚。ただし、そのうち71枚はデフォルメCGやカットインCGだ。まあ、デフォルメCGやカットインCGを抜いてもかなりのボリュームがあるのは確かなので、この点で不満を感じることはないでしょう。

チェインソーを持っているのはジェイソンじゃなくてレザーフェースだろうというツッコミは置いておいて、トータルの評価としては、テンポよく爽快なストーリーを楽しめる佳作と言ったところかな。ストーリー展開はやや平坦な気もするけど、テンポの良さで最後までプレイさせてくれる。個人的には、ニッコリ笑顔で「死んじゃえばいいよ♪」と毒を吐きまくるメイドの瑞穂がツボにはまったので、オススメ度は☆4つ。これまでのAXL作品が好きだった人はもちろんのこと、世界観が良くて後味のいい作品をプレイしたいならオススメ。ところで、霧子先生の正体は最後まで明らかにならないんだけど、先生の正体は何者だったんだろう？　AXLはファンディスクも出さないし、これは永遠の謎なのかなぁ……？

   使い方

攻略

基本的にお目当てのヒロインを追いかけていけば、エンディングにいくことができる。ただし、弓野奏、御星更紗、セーラ・アップルトン、秋津原瑞穂の4人はエンディングが3つあるので、このすべてを回収しておくこと。笠置霧子のエンディングは1つだけなので、分岐ポイントさえ間違えなければ問題ないはず。

（by Suno）