喰ヒ人

人里離れた館に迷い込んだものの運命は？

©TinkerBell

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ミステリーサークルに所属する高階琴音、柚木まみ、狩野悠里の3人は、雰囲気のある廃墟があるという噂を聞いて、森の中にやってきた。しかし、土砂降りの雨の中で見つけた館は廃墟などではなく、兄と双子の妹が住んでいたのだった。悪天候の中帰るのは危険ということで館に泊めてもらうことになった3人だったが、その館には恐ろしい秘密が隠されてた……。

『淫妖蟲』シリーズなどでお馴染みのあおじる氏原画の触手モノ。まずはちょっと気になった点からチェックしていきたい。この作品をプレイしていて最も気になったのが、明確な主人公がいないという点。主人公候補としては琴音、まみ、悠里の3人に加え、館の主である美青年・宝条秋夜の4人があげられると思う。けど、ストーリーの進行に合わせて物語の視点は頻繁に切り替わり、誰が主人公ともいえない作りになっているんだよね。プレイヤーの分身であるべき主人公がいないことで、今ひとつ感情移入しにくくなってしまった気がする。4人のうち誰でも良いから、主人公をハッキリと決めておいた方が物語に入り込みやすかったんじゃないかな。それから本作はエログロがウリなわけだけど、グロ要素が結構強めだったりする。生首がゴロリと転がっていたり、直接的なCGはないもののヒロインたちが文字通り喰われてしまったりね。グロは嫌いだという人は、ちょっと気を付けた方がよさそうだ。

けれど、明確な主人公がいないということ、グロテスクな表現が多いということを納得した上で本作をプレイするなら、かなり上質な触手系ヌキゲーでもある。まずなんといってもあおじる氏原画のCGが素晴らしい。女のコの体にヌメヌメとした触手が絡みつく様子や、腹や胸が異様に変形していくところなんかは触手好きならそれだけでご飯3杯はいけるんじゃないかな。それからルートによって物語が大きく変化するのも良い感じだ。琴音は館に迷い込んできた大学生を利用して堕とし、まみは彼女の秋夜への好意を利用する、悠里は双子の姉妹が担当と、キャラによって物語の雰囲気がまったく違う。個人的には琴音のルートが特に好きかな。男嫌いの琴音が大学生を好きになるように仕向け、琴音が完全に男を好きになったところで一気に絶望にたたき落とすというやり方が陰湿で素晴らしい。もちろん、ちょっと耽美な雰囲気のあるまみルートや、友人を人質にとって凌辱する悠里ルートもそれぞれの面白さがあるしね。あと、ヒロインが普通の人間というのも絶望感を演出するのに一役買っている。『淫妖蟲』などではヒロインが特殊能力を持った退魔師だったりしたわけだけど、本作のヒロインはなんの力もないただの人間。触手に対してなんの抵抗もできないわけで、より絶望的なシチュエーションを生み出すことができたな、と。

ハッピーエンドの存在しないストーリーや、グロテスクな描写など、ややプレイヤーを選ぶかなという気もするけど、触手系凌辱モノとしては納得の出来映えの作品。CG枚数が差分抜きで73枚、イベント数52と数値的なボリュームはやや少なめだけど、Ｈイベントの尺が長くとられていてボリューム不足を感じさせないのもGood。触手モノやバッド系ストーリーが好きならオススメできる作品だ。オススメ度は☆4つとしたい。

攻略

   使い方

一番最初の選択肢で「絶対にイヤ！」を選ぶといきなりエンディングになってしまうけど、これはCGはなくルートマップにも出てこないので見る必要はないだろう。そしてキャラクター選択で目的のキャラを選び続ければ、目的のルートに入ることができる。個別ルートはゲーム中にヒントになるようなものがまったくないので、難易度は結構高め。選択肢を1つでも間違えると別のエンディングになってしまうことがあるので注意してほしい。

（by Suno）