恋騎士Purely☆Kiss

女のコたちと一緒に一人前の騎士をめざせ！

幼いころに騎士に命を救われた主人公は、自分もまた多くの人を守れる騎士になりたいという夢を抱くようになった。やがて成長した主人公は、騎士育成のための専門校、白宮学園に入学し、白宮従騎士団・エスクワイヤに所属することに。エスクワイヤは実験的に組織された学生による騎士団。ところがエスクワイヤのメンバーは、主人公以外は女のコばかり。そんなハーレム的環境で、主人公は一人前の騎士になれるのか？

©エフォルダムソフト

本作はエフォルダムソフトのデビュー作。デビュー作といっても、それなりに実績のあるスタッフが揃っているっぽいので、比較的安定した作品となっている感じかな。特にCGは素晴らしいの一言。キャラクターデザイン、塗り共にトップクラスだろう。原画の憂姫はぐれ氏のファンならば、これを目当てに購入しても良いくらいだ。キャラクター設定も、生真面目なエルシア、弱ツンデレな獅堂真奈、明るく元気で子犬のような性格の風間明莉、ブラコンな妹の藤守由宇と、キャラのかぶりもなくきちんとキャラが立っているのは良いね。あと、サブキャラにもしっかりとシナリオ、エンディングが用意されているのも好印象。ファンディスク作成を見越しているのか、美味しいキャラを攻略対象から外している作品も世の中には散見されるけど、そういう小細工抜きで勝負しているのは嬉しいね。

物語はというと、ヒロインたちと同じ寮で生活することになるというもので、ハーレム系ラブコメディというのが一番分かりやすい分類じゃないかと思う。勉強を教えてもらっているときに胸チラを見てドキドキしたり、お風呂やトイレでばったりといった、ラッキースケベが多め。多めというかゲーム前半の共通ルートのイベントは、ほぼそうしたもので占められている。このあたりはまさにラブコメ的展開。キャラによってハプニングが起こったときの反応が違うのも面白い。真奈はテンパったあげくに主人公をぶっ飛ばす、由宇は主人公に女のコ扱いされて喜んだりね。こういうむず痒くなるようなラブコメ的展開が好きな人なら、大いに本作を楽しめるんじゃないかな。Ｈシーンはゲーム後半の個別ルートに集中している。イベント数はメインヒロイン1キャラあたり5つ用意されていて、尺もそれなり。サブヒロインである国中佳織、ベルナデットはそれぞれ1つ用意されていて、トータルでは22となっている。ただ、描写はあっさり目なので実用性はあまり高くはないかな。まあ、本作は純愛系作品だし、純情だったヒロインがＨシーンに入ったとたん淫乱ビッチになっても困ってしまうから、この点は仕方のないところだろう。なお、CGはトータルで86枚。そのうち4枚が立ちキャラ、16枚がSDCGとなっている。

©エフォルダムソフト

キャラ萌え作品としては良作といって良い本作なんだけど、問題は「騎士」という設定があまり活かされていないことだろう。本作の舞台は現代日本で騎士が社会の治安維持を担っているという設定。さすがに現代を舞台にしておいて剣だけで戦うというのは、ちょっと無理があったんじゃないだろうか。その影響なのか、さほど強い敵が出てくることもなく、騎士を主人公やヒロインにしたわりには物語が盛り上がらない。また、騎士になるという強い意志を持っているヒロインが少ないのも、物語の盛り上がりに悪影響を与えている気がするね。そして、そもそもの話として、なんで「騎士」なのかというのがある。現代を舞台とするなら警官にした方が自然だっただろうし、騎士を主人公にしたいのなら中世ヨーロッパを舞台にした方が良かったんじゃないかなぁ。まあ、甲冑を身につけた女のコを出したかったということなんだろうけど。

全体としては、騎士モノとして見るとイマイチ、キャラ萌えゲーとしてみれば悪くはないといったところかな。強大な敵と戦うバトルとか、ストーリー性に期待するとガッカリしてしまう可能性大だけど、キャラに萌えられればOKと考えるなら悪い作品ではないと思う。個人的には素材は悪くなかったんだから、ちょっともったいない作品だなぁというのが正直な感想かな。というわけで、オススメ度は☆3つとしたい。

攻略

   使い方

カッコ内の選択肢は初回プレイでは出現しないので、その場合は無視して構わない。そして、キャラの好感度を確認できるので、その好感度がマックスになるように選択していけばメインヒロインのキャラ別エンドはそれほど難しくないはず。いずれかのエンディングを見るとカッコ内の選択肢が出現するようになるので、そこで特定の選択肢を選べば、サブヒロインである佳織、ベルナデットのエンディングにいくことができる。

（by Suno）