狗哭

平家滅亡800年の呪いが今蘇る

©Black Cyc

ある日、主人公・鳴沢拓人の元に弁護士が訪ねてきた。なんでも、亡母方の祖父・橘重蔵が他界し、遺産をすべて拓人に遺したらしいのだ。遺産継承及び葬儀へ出席するため、橘本家のある真砂村へ同行して欲しいというのだ。遺産の相続には興味がなかったが、父親・義一から「じつは、お前は俺の子ではない。そして、真砂村には生き別れになってる双子の妹・逢恵香がいる」という衝撃的な事実を告げられ、妹に会うため真砂村へ行くことを決意するのだった。しかし、真砂村を訪れた拓人は、“竜神伝説”の伝わる大きな沼で巨大な影を目撃し、とんでもない騒動に巻き込まれいく…。平家の落ち武者伝説が語り継がれる真砂村に、いったいどんな秘密が眠っているのだろうか？

本作は猟奇・伝奇系AVG作りに定評のあるBlack Cycの作品ゆえ、気になるのは『ゴア・スクリーミング・ショウ』や『EXTRAVAGANZA』で魅せてくれたエログロ・残酷シーンを、どのぐらいのレベルで本作に投入してるか？って部分。オープニングで登場したカップルが、いきなり頭を砕かれ血を吹き上げ即死！　こ、この展開はかなりの激アツ路線か!?って思ったけど、本編では思ったより残虐シーンは描かれていなかった。主要キャラが殺されてしまうシーンはあるけど、テキスト数ラインであっさり処理。CG付きでネットリ描写するショッキングイベントは、極太触手にお腹を引き裂かれ悶死する1シーンだけでござった。スプラッターシーンを楽しみたかった人は、若干物足りなく感じるかも。でも、やり過ぎるとドン引きする可能性も高くなるので、一般人にはこのぐらいで丁度いいとも言える。

©Black Cyc

さて、本作は源氏に滅ぼされた平家の怨念を扱った物語で、歴史好きな拙者は結構好きな系統の作品でござる。でも、平家の怨念を扱うなら、心霊現象と呼べる枠組みで勝負して欲しかったなぁ。さすがに邪神と融合し、巨大な触手になって登場されちゃうと、伝奇ホラー的にはちょっと楽しみにくい。ある程度リアリティを残しつつ、適度なファンタジー要素を加える程度が丁度良いと思うのだが…。NHKの大河ドラマで、歴史的背景を無視しすぎる「お江」に感情移入しきれない感覚に似てるかな？　まぁ、ファンタジーな展開の方がスケールの大きな話になり、面白くはあるんだけどね。ただ拙者の場合、スケールが大きすぎると、ついて行けなくなるんだよね。最初から平家云々の流れがなければ、巨大生物＆触手も大歓迎なんだけど…。触手大好物だし。ま、ここら辺は好みの問題なので、マイナス要素にはならないけどね。

ＨシーンはBlack Cycの作品としては、ややインパクトが弱い感じがするなぁ。村人に輪姦されるシーンはエロさ抜群で鬼畜なんだけど、純愛Ｈの存在感がかなり強く、結果的に作品全体のダークな雰囲気が薄まってしまった感じ。個人的には、Black Cycの作品ってマウスクリックする指がだんだん重くなるような、独特な息苦しさを覚える感覚があるんだよね。そこが好きなポイントでもあるんだが…。残念ながら本作には、そういうネットリ絡みつくような闇のオーラが不足してる感じがする。気のせいと言われればそれまでの話なんだけど。あと、メインヒロインがふたなりなので、素直に愛せなかったのが作品に感情移入しにくかった最大の要因かも。拙者と違ってフタナリを違和感なく受け入れられる人は、問題なく楽しめる作品だと思う。残酷シーンはマニアが歓喜するほど際立ってはいないが、適度にスパイシーな味付けになっておりバランスは上々。奇想天外なストーリーも面白いしね。刺激的な伝奇AVGを求めている人にオススメっす。

攻略

   使い方

特定エンドをクリアすると、選択肢が追加されるシステムを採用している。追加選択肢をONにするため、最初からプレイするのを忘れずに！

（by イ・ヤン提督）

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