Imitation Lover

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学園生活に波瀾が訪れる！

クラスの中で目立たぬよう過ごしていた主人公の来栖樹。そんな彼は、学園でも有名な一之瀬響から声をかけられた。さまざまな悪事に手を出しているという噂のある一之瀬響から、カンニングをさせてほしいと頼まれてしまった樹。カンニングの報酬は彼女の処女だという。1回5000円でウリをしているという噂もあるため、響が処女のハズがないと思いつつも、樹はついついカンニングを手伝うことになる。無事カンニングを成功させて響の処女をもらった彼は、その後ある事件に巻き込まれ、これまで目立たないでいた樹は学園中の有名人となってしまうのだった。そして、予想していなかったような学園生活を送る羽目に陥る……。

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学園青春ドラマ的なシナリオとなっている本作に登場するヒロインは3人。一之瀬響、園村円香、桐沢伊織だ。そのうち桐沢伊織は本編では攻略できない存在なので、本編では響か円香のどちらかのシナリオで進んでいくこととなる。響と円香のエンディングを迎えると、樹の友人である尚也シナリオをプレイすることができるようになり、伊織がヒロインのシナリオを楽しむことができる。ゲームのシステム面は不満を感じるような部分もなく、快適にプレイを楽しめるはずだ。

いずれのルートであれ、響の処女をもらった樹が自由奔放な性格の彼女に惹かれていくというのが物語の根底にある。途中からは主人公に好意を寄せている少女、響の親友で後輩の円香が登場してきて青春のトライアングルとなるわけだね。lightが「リアル純愛アドベンチャー」と銘打っているだけあり、リアリティのある等身大の恋愛が描かれている作品だといえる。『lightBOX2008』の収録タイトルのひとつだ。

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プレイしていて少々気になるのは、主人公の樹がかなりネガティブな考えを持つ後ろ向きなヘタレであること。このあたりを受け入れられないプレイヤーもいるのではないだろうか。ヒロインの響は、おそらく「ミステリアスな謎の多い女」というのを狙ってのことだと思うが、響が何を考えているのかがプレイヤーに伝わって来にくいので、じっくりとテキストを読んで彼女が何を思っているのか想像しながらプレイしないと楽しみが半減してしまうかもしれない。そのため、気軽にサクサクとプレイしたい人よりも、じっくり楽しみたい人向けの作品だといえるかな。円香は内気な少女だけど、思い込みが激しいので物語の終盤で信じられない行動を見せてくれて、意外性を楽しめると思う。引いてしまう人もいるかもしれないが……(笑)。学園のマドンナ的存在の伊織は、本編中ではけなげに尽くしても報われずかわいそうなヒロインだけど、尚也シナリオのラストでは悲しみを積み重ねてきたぶん引き立つエンディングになっていて、本作のヒロインの中で一番きれいにまとまっているんじゃないかな。

主人公の性格が微妙なのでプレイヤーをかなり選びそうな気がするけれど、樹みたいな主人公でも大丈夫で学園青春ものが好きな人にはぜひ遊んでみてもらいたい。お薦めは☆☆☆☆にしてあるけど、これは個人的に尚也シナリオが面白かったから＋1している感じかな。なぜ尚也シナリオがツボにハマってしまったのか明確な理由が自分でもわからず、自分自身を奇特なヤツだと思ってしまったほどで変な感じだ(苦笑)。

これからの購入だと新品を探すのは大変そうなので、本作のほかに『Dear My Friend Complete version』『群青の空を越えて』『潮風の消える海に』も収録されている『lightBOX2008』が発売されるため、ほかに気になる作品があるのならそちらを買うという選択肢もありかもしれません。

   使い方

攻略

意地悪なトラップもなく、比較的わかりやすい選択肢ばかりなのでコンプリートするのはそれほど大変ではないだろう。CGが漏れたらBADEND系のものだと思えばいいぐらいだ。響と円香をクリアすると尚也シナリオに入れるようになるので、そちらもプレイしてコンプリートを目指してほしい。ちなみに、尚也シナリオの選択肢はダミーなので、どちらを選んでも影響はない。

（by 天城螢）