おねがい♪　ご主人さまっ！〜ティアー編〜

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ツンデレなメイドさんとラブラブ？

祖父の遺産の配分で格安に館を手に入れることができた主人公の三条朔。遺言には館の備品は大切に扱うことと返品は不可であることが記されていたのだが、その備品にはメイドの鹿目静宮が含まれていた。しかも侍女法により館の規模に見合うだけのメイドを雇う義務まであるのだという。急いでメイドを募集したものの集まってくるのは個性的な人ばかり。ティアー＝累・モスフォートもそのひとりでマッドサイエンティストな雰囲気がプンプンするのだった……。

この作品は2006年11月24日に発売された『おねがい♪　ご主人さまっ！』からヒロインをティアーのみに絞ったダウンロード版だ。登場キャラの設定などがわかるオープニング部分は弥生編にしかないことに注意が必要だ。オープニング部分はないが、ハーレムエンドのほうは販促のためかこちらにも収録されているので、単品買いをする人はちょっとお得な感じかも。

本作のヒロインは英国人とのハーフのティアーで、研究にのめり込むとまったくまわりが見えなくなってしまい、メイドの仕事もサボってしまうマッドサイエンティストの卵（？）という感じだ。基本的にはツンケンとして反抗的な態度を取るが、それもそのはず。ただ単に、朔に使えている生産数の少なかった激レアの軍用の機甲侍女（バトルメイド）をいじりたい（メンテナンスをしたい）からメイドとして住み込むことになっただけ。メイドとしての職務を果たさずに研究に没頭してしまう困ったお方っすね。沙莉那を改造していっちゃうし問題の発生はどう考えても必至なり。設定的にはコメディとしてはよいけれど、メイドとしてどうなのかという点においては好みが別れそうなヒロインかもしれない。ティアーをわざと挑発しているんじゃないかと思うぐらいの主人公の行動がその先に起こるであろう展開を期待させてくれてイイ感じだ。

©2006 Abelia

素直じゃないティアーとのＨと、そこから変わっていくふたりの関係はよいと思うが、弥生編と比べてしまうとコメディ部分が若干劣る感じがする。天然おバカ系のヒロインより、ツンデレのほうがネタ作りが難しいのかな。あと、ティアーのシナリオはツンデレを狙いすぎていて少々わざとらしい演出と感じる人もいるかもしれない。自分はお約束的なものは好きだから結構楽しめたけど、そのあたりは個人の感じ方には差があるから一応記しておく。

ゲームのシステムは先行して販売された弥生編と変わらない。ただし、メッセージスキップで不便を少々感じる可能性はあるんじゃないかな。パッケージ版であれば一本で完結しているから共通となるシナリオ部分を既読スキップできるが、ダウンロード版はシステムがヒロイン別に独立しているため、ほかのヒロインのをプレイしたかどうかゲームのシステム側で把握できないわけで……。パッケージ版であれば既読スキップできる部分をダウンロード版ではクリックして読み進めることになる。

ちなみにCGモードの枠は20個で回想は14種類。ボリューム的には低価格ソフトの最低限のラインはクリアーしていると思う。ただ、CGと回想のうちの2つはハーレムシナリオのものなので、複数買うつもりの人はそれがほかのヒロイン編にも用意されていることに注意したい。それから、ティアーのシナリオではあまり選択肢が出現しないためゲーム性は高くない。じっくりとシナリオを楽しみたいという人向けかな。

ツンデレなメイドに萌えたい人でしぃし〜属性の人にお薦めしたい作品だ。ただし、オープニング部分が弥生編にしかないので、どういう経緯でメイドになったのかはわからないのと、ゲームの舞台設定などが把握しにくいことはあらかじめ覚悟しておきたい。

   使い方

攻略

パッケージ版と出現する選択肢が若干違うのでSunoの攻略チャートを元にティアー編のチャートを用意してみた。ティアー編はほとんど選択肢がなく、かなり難易度的にはぬるい作りになっている。

（by 天城螢）