優姉といっしょ

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優しいお姉ちゃんに甘えたり恋人になってドキドキする恋愛AVG

まず最初に言っておくと、本作は即物的なエロを目的とする人にはオススメできない。エロくないのかというとそういう訳じゃないが、重きを置いている部分が違うのだ。

初恋の人であり今は義姉である女性、優乃が主人公の家にやってくる。彼女に徹底的に甘やかしてもらい、可愛がってもらう本作は、色っぽいお姉さんがバスタオル一枚で歩き回ったり風呂で身体を洗ってくれたりと据え膳出まくりだ。主人公のことが昔から好きな幼なじみのあかねは、そんなベタベタくっつくふたりを見て嫉妬や照れでパニック気味。

©2005 unicon-a Anesen

こんだけゲーム開始時点でモテモテだったらすぐＨシーンになるのか? と思ったら、これが全然そうじゃない。優乃が来たことによる日常の変化、個性的な友人や学園の教師たちを交えた面白おかしい毎日……が、ずっと続く。途中何度も訪れる無防備な優乃のアプローチに対して、真面目な主人公はひたすら我慢するだけだ。

最初のうちはまどろっこしいと思うが、軽妙なテキストで描かれる登場人物たちがみんないい奴ばかりなので、そんな何気ない日常が楽しくなってくる。やがて好感度を上げていればヒロイン別ルートになるが、女の子と相思相愛になってもＨはまだだ。数多の恋愛ゲームのように、告白→キス→我慢できない→初Ｈ、を1日でかっ飛ばしたりはしない。

©2005 unicon-a Anesen

恋人同士になったことによる関係の変化に戸惑い、まずは手を繋いだりして、それがとても嬉しくて。友達たちに話そうか? 隠そうか? 初デートはどこに行こうか? そしてついにキスしちゃったり……そんな風に互いに手探りで距離を測りながら、少しずつ恋人という関係を構築してゆく……。

本作が重きを置いているのはこういう部分だ。姉弟や幼なじみだった日常から、恋人になってイチャイチャするのがたまらなく楽しくなる心の高揚、恋愛の機微を、初々しく甘〜く丁寧に描き、ニヤニヤしちゃったり、人によっては青春の日々のノスタルジーに浸ったりするAVGなのだ。だから、Ｈシーンはかなり後半にならないと出てこない。そのぶん、「ついにこのコと結ばれる……!!」といった昂奮はたっぷりだ。もちろん初Ｈ以降も、さらに恋人関係を深めていく展開が続くぞ。

他に特徴的だと感じたのは、日常生活を飽きさせずに楽しませる声優さんの熱演だ。時に可愛く、時にテンション高く、時にそっけなく。大きく緩急をつけたしゃべりと多彩な立ちキャラの表情パターンの相乗効果で、登場人物たちの漫才的会話に思わず吹き出すことも。

©2005 unicon-a Anesen

システムに関して言うと、不便だったのはセーブ／ロード周り。セーブスロットは20箇所×5ページで数としては充分なのだが、開いた時に最新データがあるページではなく必ず1ページ目が表示されてしまうのが面倒だ。またゲーム中にロードしたい場合、「DATA」メニューを開き（この時点ではセーブモードになっている）、「LOAD」をクリックしてロードモードにする必要がある。これを忘れるとロードするつもりがうっかりセーブで上書きしてしまうことも……事実、数回やってしまった。セーブとロードが共通画面のモード切り換え方式で、しかもモードを換えても画面デザインが変わらないので、間違いやすいのだ。タイトル画面からクイックロードできないのも不便だが、前述の問題に比べれば実害が無いぶん些末なことに思える。

本作はもともとフルプライス作品なので、ダウンロード販売や『UAセレクション』として廉価パッケージ版が出たと言っても、ボリューム感は充分。グラフィックのクオリティも高い（一部イベントCGで妙にキャラが太って見えるのはご愛敬）。恋愛とはくっついて終わりじゃない、くっついてからが本番だ!! という持論の人にはかなりオススメできる作品だ。

   使い方

攻略

緑は可愛くても男なので、雛＆緑ENDを目指す時は、性別なんて関係ない! という心の準備をしておこう。

（by 葉柳）