Purely〜その狭い青空を見上げて〜

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温泉町を舞台にした純愛ストーリー

©RUNE

星河原温泉郷は2つの山脈に挟まれた渓谷に広がる温泉町。温泉旅館の跡取り息子でもある主人公は、以前のクラスメイトの翠川悠から温泉部に入ってくれと頼まれる。部員数が少なすぎて廃部の危機にある温泉部に入部することになった主人公を中心として、活動を開始する温泉部のメンバーたち。温泉部部長の翠川悠、無口でマイペースな葛城恋鳥、幼なじみの秋里愛歌、そして旅館で仲居として働く雫色つむぎ。温泉部の仲間たちのと物語が始まろうとしていた……。

物語は雫色つむぎ、秋里愛歌、翠川悠、葛城恋鳥の4人をヒロインとした純愛ストーリー。潰れかけた温泉部を立て直すところまでが共通ルートで、それ以降が個別ルートという構成。分量的にはちょうど半々くらいかな？　共通ルートは主人公がほどよく熱血ということもあってか、イライラすることもなくプレイできた。純愛系のゲームにありがちなヘタレた主人公は嫌いという人でもOKでしょう。個別ルートに入ると、主人公がちょっと鈍感すぎるかなというところはあるけど、まあ許容範囲内。主人公があまり察しが良すぎても物語が盛り上がらないしね。個別ルートで良かったのが、安易な奇跡に頼らないストーリーであること。キャラによってシナリオは違うけど、どのシナリオでも主人公たちは自分たちの力ではどうにもならない事態に追い込まれてしまう。安易なシナリオであれば、最後に愛の奇跡が起きて大団円ということになってしまうんだろうけど、このゲームでは奇跡など起きない。主人公たちの力が及ばないところでは残酷な事実が突きつけられたりする。それでも残酷な事実を受け入れ、前に進んでいこうとする主人公たちが好感度高し。物語全体の雰囲気も良いし、ストーリー性重視のゲームが好きという人なら楽しめる内容でしょう。

©RUNE

Ｈシーンに関しては、純愛系ゲームということもあって秋里愛歌、翠川悠、葛城恋鳥は2つ、雫色つむぎは1つとなっていて、数的には少なめ。ただ、イベントの尺自体は長めだし、エロエロな展開を期待するゲームでもないから問題はないかな。個人的にはツンデレというかクーデレの恋鳥がお気に入りだったりする。デレてからの恋鳥の破壊力が高いし、Ｈシーンも描写が濃いめ。総じていずれのＨシーンもラブラブな雰囲気で良い感じじゃないかな。

全体的なストーリー展開とかキャラは良作といってもいいレベルだと思うけど、問題はシステム部分。テキストがウインドウに収まり切らなくなってはみ出してしまったり、音声が再生されなかったりといったバグが目立つ。Ver.1.01の差分をインストールすることでいくらかは改善されるけど、完全には直っていない。こうしたバグが物語が盛り上がるべきところで発生してしまうものだからたちが悪い。これは大減点。ゲームが強制終了してしまうような致命的なものではないとはいえ、1度プレイすれば分かる不具合なのだからしっかりとデバッグしてほしかった。次にシナリオの展開がおかしいところがあること。名前も知らなかったはずのキャラが次のシーンでは友達として登場したりといった部分がある。こうしたシナリオの不整合も1回プレイしてみれば気がつくはずなんだけどなぁ……。

なんというか、素材は良かったのに詰めが甘くて素材の持ち味を殺してしまったという印象。本来ならオススメ度☆4ついきたいところだけど、バグなどを減点してオススメ度は☆3つ。快適にプレイできないバグは許せないという人はさらに☆1つマイナスして考えてもいいかも。完全にバグが修正される差分をできるだけ早く出して欲しい。ストーリーやキャラが悪くないだけに、こんなことでマイナス評価されるなんてもったいなさ過ぎるよ……。

   使い方

攻略

初回プレイで攻略できるのは愛歌、悠、恋鳥の3人。この3人をクリアするとつむぎが攻略可能になる。さらにつむぎをクリアすると、タイトル画面に「追憶」というコマンドが追加されるので、これをクリアすればゲームコンプリート。

（by Suno）