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交換留学先はファンタジーな魔法世界

15年ほど前、地球と異世界ランドロークとを繋ぐゲートが発見された。このゲートを使い2つの世界は交流を続け、今ではランドロークに日本人街ができ、日本ブームが起こりつつあるほど。主人公の泉晴太は交換留学生として、そんなランドロークへ行くことに。地球とは違う異世界で晴太を待っているものは……？

©パープルソフトウェア

ゲームを起動してまず気がつくのは、画面解像度。現在、一般的なゲームの解像度は800×600。このサイトのレビューでもスペック欄に解像度を入れているけど、「800×600」と入力するのがほとんど癖になっているほど。ところがこのゲームの解像度は1024×614。パっと見で分かるほどウインドウが大きいし、とても見やすくて凄くいいね。自分は普段、モニターの解像度を1600×1200で使っているんだけど、この解像度だとゲーム画面が800×600だとウインドウが小さくて見にくいからね。できれば、今後できるだけ多くのゲームがこの解像度になってくれると嬉しいんだけどなぁ。そしてゲーム中の演出、画面効果もかなり力が入っている。雨や雪が降っていたり、立ちキャラが状況に応じて拡大、縮小されたりする。ゲーム画面の大きさと相まって、とても見栄えのするシステム。システム面だけを見れば、オススメ度☆4つだね。

だけど、システム面に比べてシナリオは少々弱い。まずキャラ別ルートはストーリーが盛り上がらないうちに終わってしまって、尻切れトンボという感じ。そして全てのキャラ別ルートをクリアするとトゥルールートに入ることができるようになり、このトゥルールートで「ランドローク」という世界の真の姿が分かるという構成になっている。言ってみれば、キャラ別ルートはトゥルールートの前振りという扱い。こういう構成を取るのであれば、なにを差し置いても世界観の構成はしっかりやらなければならないはず。どれだけ緻密に世界観を構成できたかで物語の価値が決まると言ってもいい。ところがこのゲームは広げた風呂敷を畳み切れていないという印象。全ルートをクリアしても「結局主人公って何者だったの？」とか「あの設定はどこに行ったの？」という疑問がいくつも出てきてしまう。壮大な世界観を構築しようとしたけれど、結局それをもてあましてしまったという感じがする。これなら無理に壮大な世界観など求めずに、ファンタジー世界を舞台にした学園モノにした方が良かったんじゃないかな？

ではキャラ萌えはどうかというと、これもちょっと微妙。もともとパープルソフトウェアって萌えキャラを作るのが上手いブランドだと思っていたんだけど、今回はそれが上手くいっていないね。その理由はメインヒロインであり、もっとも魅力的でなければならないはずの春野ゆめに魅力を感じられなかったから。ゆめはクラスメイトであるリコフェリアを貧乳と言ってからかうんだけど、これがちょっとしつこすぎ。少しぐらいなら笑えるんだろうけど、あまりしつこすぎると不快感を感じてしまう。それ以外のキャラは決して悪くないんだけどねぇ……。むしろクールな妹の泉六花とか無骨なシオンなんかは好みだし。ゆめへの不快感がそういうキャラへの好感度を帳消しにしてしまった感じがする。

ゲームの難易度は低いものの、CG枚数113枚、Ｈイベント数15とシナリオのボリュームは十分。CGのクオリティも文句なし。システム面と合わせて素材は悪くないだけに、世界観の矛盾や不快感を覚えてしまうキャラが惜しかった。とりあえず、細かい矛盾が気にならない人、気に入ったキャラがいるという人なら楽しめるかと。体験版をプレイしてみて、キャラが気に入るかどうかを試してみるのがいいんじゃないかな。

   使い方

攻略

シナリオの分岐は単純なので、迷うところはないでしょう。全キャラのエンディングを見ると、タイトル画面から「トゥルー」が選択可能になる。トゥルーエンドを見ると、ゆめのアフターシナリオが選択可能に。そして、ゆめアフターシナリオをクリアすると、「なぜなにぷりりん」が選択可能になる。

（by Suno）