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閉店の決まったファミレスで過ごす2カ月

長い間業績不振に陥っていたファミリーレストラン・トリアノン北橋店は、ついに本部から閉店を告げられてしまう。エリアマネージャーである主人公に与えられた仕事は、北橋店の人員整理。新店舗に派遣する人材を残し、残りを解雇しなければならないのだ。候補に挙がった者は5人。残されたわずかな時間の中で、主人公たちはなにを見つけていくのか…。

経営不振になった店などを建て直すというストーリーのゲームは良くあるけど、閉店が決まったところからストーリーが始まるというのは珍しい。このゲームでの閉店は、主人公やヒロインには手出しのできない本部の決定で、どんな選択をしようとも決定が覆るようなウルトラＣはナシ。終わりの始まりという感じの物語になっている。どんな結末を迎えるにせよ閉店は決まっているわけで、その点ではちょっともの悲しいエンディングになるわけだけど、物語の雰囲気は明るくてほのぼのとしたもの。エンディングももの悲しいとはいっても、未来への希望を感じさせるような感じのものだ。

©あんく

攻略可能なヒロインはおっとりしたセクハラ店長の織原日和、仕事に厳しい鬼チーフの町田静、社員で自称恋多き女の緒方希美果、不思議系腹黒バイトの天野輪廻、ドジっ娘新人バイトの新田明日葉の5人。隠しキャラなどは特になし。プレイしていて面白かったのが、ストーリー的に静と希美果、輪廻と明日葉がワンセットになっていて、シナリオ途中から対になっているキャラに乗り換えることが可能という点。具体的には輪廻シナリオをプレイ中に明日葉に乗り換えることができる。もちろん、明日葉には明日葉用のシナリオが用意されているので、1キャラにつき2種類の物語を楽しめるわけだ。どのシナリオも比較的淡々としていて、ものすごい大事件が起こるというわけではないんだけど、それぞれのキャラの良さがしっかりと出ていて、思った以上に楽しむことができたね。主人公も真面目で誠実というキャラで一貫していて、この点も好感度大。Ｈシーンに関してはヌキゲーではないのだから、特別濃いというわけではないけど、1キャラにつき5〜8あって、純愛系ゲームとしてはまずまず。

マイナス点としては、システムがイマイチ。特別な処理をしているとも思えないのにCPU負荷が高い。ゲーム自体が重いっていうことはないんだけど、問答無用でCPUを独占するシステムっぽいね。WindowsはマルチタスクOSなんだから、こういう設計は止めてほしいなぁ。それと音楽が古臭い。なんというか、80年代の歌謡曲みたい。少なくとも、自分は繰り返し聞きたくなるということはなかった。あと、ストーリー的に起伏のない展開が続くので、人によっては退屈に感じてしまうかも。まあ、このあたりはどんなストーリー展開が好きかという好みの問題が大きいと思うけどね。

シリアスな導入の割にマッタリしてホノボノとした物語が楽しめる良作という感じだね。プレイ時間もそれほど長くないので、大作や鬱になるゲームの合間にプレイするのにピッタリ。特別にここが凄いというのはないんだけど、安心してノンビリと楽しむことができるゲームというところだ。

   使い方

攻略

5人のキャラにそれぞれ専用のルートがあり、CGをコンプリートするためにはこの専用ルートをクリアする必要がある。選択肢自体は分かりやすいものばかりなので、それほど難易度は高くないはず。希美果だけはエンディングが2種類あるので、両方のエンディングを見ておくこと。

（by Suno）