こいちゅ！〜恋に恋するかたおもい〜

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初恋の相手との再会から始まる恋模様

初恋の相手、春日野恋に告白することもできず、別れ別れになってしまった麻倉真広。そんな真広を支えたのは幼なじみの水樹夏音や妹の真柚だった。数年後、ようやく恋のいない日常に慣れ、平凡だけど平和な日常を送ることができるようになった。そんな時、恋が再び真広たちの住む街に帰ってきた。恋との再会により、真広の日常は変わっていく…。

ゲームはごくオーソドックスなコマンド選択式AVG。特に変わったシステムはないので、すんなりとゲームに集中することができる。プレイしていて気になったのが、システムの重さ。システムの設定でエフェクトをオフにすれば多少改善されるけど、場面が変わるときなどのエフェクトはカットできず、全体的にもっさりした感じだ。設定でエフェクトをオフにしたら全てのエフェクトをカットして欲しかった。それから音声が時々とぎれてしまったのも気になる。バックログで聞き直すと正常なのでデータが破損しているわけではなさそう。これはウチの環境だけなのかなぁ？　セーブが12カ所しかできないので、それが気になるという人もいるかもしれないけど、ゲームの難易度がそれほど高くないので、自分的には必要十分だった。それほど細かくセーブしなくても十分にクリアできる難易度だろうしね。

©PIZZICATO feat.戯画

ストーリー的には初恋の相手の恋、幼なじみの夏音、妹の真柚、完璧超人の先輩の絢子の4人の中から1人と仲良くなって恋人同士になったところでトラブルが起き、トラブルを乗り越えてハッピーエンドという流れ。純愛モノとしては定番の流れだろう。物語前半は比較的明るい感じなんだけど、後半は鬱入ってるというか、かなり重いストーリーになってくる。これを受け入れることができるかどうかで、このゲームの評価はかなり変わってくると思う。主人公の家族関係もかなり歪んでいるし、人によってはプレイするのがきつくなってしまうかもしれない。逆にそういう重い展開が好きな人なら物語を楽しめるんだろうけどね。個人的にはそういうシリアスなストーリーも嫌いじゃないので、この点は高評価。全キャラで事件が解決したあとに甘々な日常が描かれるんだけど、大きな事件を克服したあとだからこそ、主人公たちのバカップルぶりが楽しめるしね。

また、主人公が真面目というか、枯れた性格なのもエロゲーの主人公としては物足りないと重う人もいるかもしれない。この点に関しても最後までプレイすれば、なぜ主人公がそういう性格なのかがわかるようになっているし十分納得がいくんだけど、気の短いプレイヤーだとそこまで行く前にゲームを投げ出すということもあるかも。このゲームは共通部分がかなり長くて、体感的にはゲーム全体の3分の2が共通部分という感じ。このゲームのキャラクターたちはかなり重いものを背負っていたりするんだけど、共通部分ではそういったものが描写されないのでどうしても物語が軽く感じられてしまう。一応、物語前半部分にも伏線は張られているんだけど、それだけで終盤まで引っ張るのはツライ。共通パートをもっと短くして、キャラ別ルートを長くした方が良かったんじゃないかなぁ…。

プレイを終えて思ったのは、このゲームの1番の欠点はタイトルじゃないだろうかということ。『こいちゅ！〜恋に恋するかたおもい〜』というタイトルを聞くと、多くの人は明るく楽しい恋愛を描いた作品を想像するのではないだろうか？　ところが実際のゲームはかなり重いストーリーだったりするわけで、明るく楽しい恋愛を期待した人にとっては期待はずれだろうし、シリアスなストーリーが好きな人はタイトルを聞いた時点でパスということになってしまいかねない。ストーリーそのものはしっかりしているのだから、シリアス系ストーリーが好きな人にアピールするようなタイトルを付けた方が良かった気がする。ともあれ、内容的にはしっかりしたものなので、ストーリー重視派のプレイヤーにはオススメ。純愛モノとしてはＨシーンが多めなのもイイね。

   使い方

攻略

選択肢に関してはそれほど難しいものはないと思う。この選択肢を間違えたらアウトというようなシビアな部分もないようなので、比較的いい加減にプレイしてもエンディングを見ることはできるんじゃないかな。ただし、選択肢によってはCGを見逃してしまう可能性もあるので、気をつけた方がいいだろう。エンディングを見るとおまけシナリオがプレイ可能になるので、これをクリアすればゲームコンプリート。「麻倉真柚＆美砂」シナリオでは選択肢が出てくるが、これはどれを選んでも結末は同じ。ただし、CGは分岐するので全ての選択肢を選んでおくこと。

（by Suno）