ぶらばん！〜The bonds of melody〜

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部の存続をかけてコンクールで対決！

香住純の通う赤城山学園は、過疎にによる学生数減少で廃校になり、円山学園と統合されることになった。クラブ活動に関しても、赤城山と丸山は統合されることになっていたのだが、純の所属するブラスバンド部だけは統合を拒否されてしまう。円山の顧問の教師がレベルの低い人間は必要ないと、受け入れを拒否したのだ。このままでは赤城山ブラスバンド部は廃部。そこで、部の存続をかけて、赤城山ブラスバンド部と円山ブラスバンド部は学内コンクールで決着をつけることに。

ゲームはキャラ選択型のAVGで、シナリオを進めたいキャラを選択していくだけのお手軽システム。部活動の練習では「指導モード」として、部員たちに指示を出すというものがあるんだけど、これも単純な三択で1つ前の選択肢に戻ることができるようになっているので、それほど難しくはない。ゲーム性云々というよりもキャラやシナリオを楽しむタイプのゲームだね。とはいえ、立ちキャラの表情パターンは豊富だし、細かく立ちキャラを動かしたりといった演出もあり、テキストだけで進むイベントも十分に楽しむことができた。

©ゆずソフト

さて、シナリオに関しては学園モノのテンプレ通りに作りました、という感じ。部活を通してヒロインたちと親しくなっていき、トラブルを乗り越えて結ばれるという流れ。とても丁寧に作られているのはわかるんだけど、意外性がないというか、完全に予定調和の世界。王道といえば王道なんだけど、もうちょっとサプライズが欲しかった気もする。あくまでも王道パターンで行くのなら、敵である円山側の顧問をもっと絶対悪にして、ブラスバンド対決を前面に打ち出して物語を盛り上げた方が良かったんじゃないかなぁ。あるいはブラスバンド対決までを第1部として、決着がついた後の第2部でヒロインと主人公のイチャイチャぶりを見せるとかもアリかな。ストーリー的に破綻しているところはないんだけど、小さくまとまりすぎた気はするね。

登場ヒロインは面倒見のいい幼なじみの中ノ島妙、元気いっぱいの暴走娘の海老原みなせ、意地っ張りで負けず嫌いの委員長の今宮紀子、円山ブラスバンド部の部長でツンデレお嬢様の雲雀丘由貴、気が弱くていじめられっ子の御影須美と押さえるところをしっかりと押さえたラインナップ。妙と由貴が主人公を巡って張り合ったり、紀子が料理やお化けが苦手なくせに意地を張って自爆したりと、キャラの魅力を引き出すイベントはしっかりと用意されている。まあ、「お約束」のイベントではあるんだけど、学園モノではこういうイベントは欠かせないでしょう。Ｈシーンは各キャラに3回ずつ用意されていて、内容的には至ってノーマル。内容の濃さ、尺共に標準的。ストーリーが純愛路線なので、ゲームの雰囲気には合っているかな。CG枚数はおまけCGを含めて91枚とまずまずの数。CGのボリュームで不満を持つことはないでしょう。CGのクオリティの高さはこのゲームの魅力の1つだと思うけど、CG目当てでプレイするなら期待を裏切られることはないはずだ。

全体的には、無難に手堅くまとまっている作品という印象。ただ、無難すぎてゲームを数多くプレイしている人には物足りなく感じてしまうかもしれない。逆にこれまであまりゲームをしてこなかった人にはオススメ。ゆずソフトのデビュー作でもあるし、とても丁寧に作られているので、次回作にも期待したいね。

   使い方

攻略

キャラ選択画面で目的のキャラを選び続ければ、スムーズにエンディングに辿り着くことができる。2回目以降のプレイでは指導モードをスキップすることも可能。チャートでは初回プレイで妙を攻略して、それ以外のキャラでは指導モードをスキップしている。全キャラのエンディングを見るとおまけCGが表示され、ゲームコンプリートとなる。

指導モードは基本的にランダム。ただし、パターンはある程度決まっているので攻略は可能だ。パターンは選択肢の上3つを見れば判断が可能。選択肢の組み合わせパターンはチャートの下に掲載しているので、参考にして欲しい。例えば選択肢の上3つが「クラリネットがもたついている」、「クラリネットが小さい」、「クラリネットが走っている」であれば、「クラリネットが走っている」が正解となる。

（by Suno）