きのみの〜コスプレ研へようこそ〜

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未知の世界に引き込まれた主人公の運命は？

人気がなく鬱蒼とした木々に覆われた裏門への道を歩いていた主人公の本山伝馬は、女性の悲鳴を聞いて駆けつけてみると木の枝に服を引っかけてしまった女性を見つける。色っぽい姿になってしまっている川名一子は、いきなり服をよこせという。伝馬は破けた服をマイ・ソーイング・セットで器用に直してあげたことから伝馬の学園生活は大きく変わっていくことになる。実はこの川名一子はコスプレ研究会の会長で、唯我独尊を地でいく彼女に目をつけられてしまった伝馬はお礼と称してコスプレ研究会へ連行され、衣装制作を手伝わされるのだった。さらに勝手に会員にされてしまい便利屋としてこき使われることに……。

コスプレ研究会の会長である川名一子の自己中心的な行動に翻弄されていく伝馬の運命が楽しめる物語となっています。ヒロインは一子以外に、コスプレ研究会の会員でドジッ娘でおっとりとした本郷真純と、一子の妹でコスプレにはまったく興味のない千鶴。そして一子のライバルでプライドの高い上社明日華が登場します。攻略可能なのは一子と真純、そして（おそらく）千鶴の3人です。

© 2006 MARRYBELL

コスプレがストーリーの根本にあるというか、衣装の話が延々と続いていくかのような構成になっています。プレイしていて気になるのは、全然エロが出てこないこと。一子ルートでは序盤でちょっとあるけれど、それ以外は終盤近くになるまでないんですよね。いつ発生するのか、まだなのか、バッドエンドコースに行っているんじゃないだろうか……と不安感を持ちつつユーザーはプレイすることになるかもしれません。あと、主人公が餌付けされていくのがシュールですね。食費なんかは自力で稼がないといけないから財政が厳しいのはわかりますが、そんなに簡単に餌付けされていいのか……と。しっかり餌付けされていることに（遅まきながら）疑問を主人公が感じたりしていて（もう手遅れなんじゃ？）クスリと笑えるお約束的な展開ともいえますが微妙なところ。中盤ではいつのまにやらパシリになってますしね。

まあ、主人公はお人好しなんで、ライバルの明日華のコスを作ったりもしたりするし。トコトン腰の低い主人公というのも貴重かもしれないです。意外に積極的な真純さんや、これまた意外にも処女な一子さんに驚かされますね。あとは明日華の双子の弟がワガママお嬢様に使える執事って感じで脇役ながらいい味を出していました。なんというか主人公同様の立場で共感が持てるという面で親近感もあるかもしれません。

システムのほうは、ユーザーに問い合わせもなくいきなりフルスクリーンで起動するのがいただけません。またマウスのホイール回転でバックログを見るときに画面エフェクトが再現されるため、ちょっと使い勝手が悪いシステムという気がします。まあ画面下部のHISTORYを押せばそれとは別にバックログを見ることが可能なのでさほど大きな問題ではないけれど。CGモードの登録は29個、回想は19シーンです。どちらもあと1個多いだけでユーザーが受ける微妙に印象が変わると思うのですが、ちょっともったいない感じがします。

コスプレ好きな人にお薦めしたいところですが、このゲームの主人公は妙にゲームやアニメに対して否定的な態度を取るので、そういう主人公はちょっと……と思う人にはお薦めできないかな。

   使い方

攻略

チャート中の選択肢が併記されている部分はCG分岐ですので、Q.SAVE/Q.LOADで両方を回収するようにしてください。本作はかなりシビアで、ちょっと選択肢を変えただけでエンディングが見れなくなったりするので難易度は結構高いですね。真純はコスプレの選択でCGが変わってくるので、結構長くシナリオをリプレイしないといけません。

（by 天城螢）