ひだまり

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お嬢様に憑いた2人の幽霊を祓えるか!?

幽霊を見ることができるという特殊体質の主人公、門松浩平。幼い頃に両親を亡くした浩平は、遺産として引き継いだアパート、平和荘の家賃で暮らしていた。ところが、平和荘は住むと不幸になるという噂が広まり、住人は次々に引っ越し、ついに住人は幼なじみの早乙女遙だけになってしまう…。そんなある日、浩平のクラスにお嬢様、大宗路有希が転校してきた。浩平が力を使って有希を見てみると、その背後には2人の幽霊が！　その幽霊を祓うために、有希は平和荘に引っ越してくることに…。

物語の前半は有希に憑りついた幽霊をどうにかしようとするドタバタコメディ。後半は平和荘に憑りついた悪霊との戦いが物語のメインとなる。有希に憑りついた幽霊は、有希を見守ろうとする双子の姉の大宗路沙希と有希のライバル的存在の桧林弥生の2人。沙希は有希を守るために憑いている幽霊だし、弥生も悪いことのできない性格なので、前半部分はとにかく明るい展開。プレイ前は有希はお嬢様らしい高飛車な性格なのかと思っていたんだけど、実際にプレイしてみると単に世間知らずなだけで、とても素直な性格で嫌みなところが全くない。ドタバタコメディが好きな人なら素直に楽しめそうだね。時折挿入されるデフォルメCGもイイ感じだし。

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そして、もう1つのポイントが鈍感な主人公と主人公を好きなヒロインたちの関係。ヒロインが全員、主人公に好意を持っているというのはお約束的なシチュエーションだけど、ヒロインたちが主人公を好きだという気持ちがしっかりと描写されていて、予想以上に楽しむことができた。このゲームは共通パートが結構長くて、ゲーム全体の7、8割が共通パート。だけど、共通パートの中にもキャラ独自のイベントがかなりの数挿入されていて、そうしたイベントでヒロインと主人公の関係をしっかりと描いているので、共通パートが長くてもだれると言うことがない。あえて言えば、ヒロインが主人公を好きになるきっかけが描写不足というのがマイナスポイント。幼なじみで幼い頃から主人公が好きだった遙はともかく、出会ってから数日の有希や沙希、メイドの如月亜佳莉、弥生が主人公を好きになってしまうというのは、少々唐突と言う気もする。このあたりがしっかりと描かれていれば完璧だったんだけどなぁ…。まあ、この点に関してはその後の主人公とヒロインのラブラブっぷりと相殺というところかな。

物語終盤は平和荘に憑りついた悪霊との対決となるわけだけど、ここではどのキャラのルートでも「最後に愛は勝つ」という一昔前の流行歌的展開。これまたお約束はお約束だし、プレイヤーの予想を裏切るようなどんでん返しはないんだけど、スッキリとした収まりのいいエンディングで、気分良くゲームを終えることができた。ただ、気になったのがラブコメの前半部分と悪霊退治を中心とした後半部分の繋がりの悪さ。コメディをやりたかったのか、ホラーをやりたかったのかはっきりせず、焦点がぼけてしまった感じがする。前半はコミカル、後半はシリアスと言うのは良くある展開だし、それ自体を否定する気はないけど、このゲームに関しては雰囲気の変化が唐突すぎたんじゃないだろうか？　前半のコメディ部分の出来が良かっただけにそんな気がしてしまった。

システムに関してはごくオーソドックスなコマンド選択型AVG。共通パートが長いというのはすでに書いたけど、このゲームでは1度見たシーンは通常のメッセージスキップは当然として、シーン自体をスキップすることもできるので繰り返しのプレイでもストレスは全くなし。クイックセーブ機能が無いのはマイナスだけど、いつでもセーブが可能なシステムなので、特に問題はないでしょう。恋愛AVGとしてみた場合、大きな破綻もなく、手堅くまとまった1作。コミカルな雰囲気が好きならプレイして損なし。

   使い方

攻略

基本的には目的のキャラに会うようにプレイすればOK。ただし、有希、遙、亜佳莉にはキャラ独自のバッドエンドがあるので、これも忘れずに回収する必要がある。チャートではこれらのキャラ独自のバッドエンド前にもセーブをしてあるけど、実際のプレイでは分岐前に戻る機能を使ってもかまわない。

（by Suno）