よくばりサボテン

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女のコに言い寄られてハーレム状態？

主人公の藤宮友弥は合気道道場の息子。母親は本家に行ってしまい、父親は仕事で家を空けている。しばらくは一人暮らし…と思ったら、隣に引っ越してきた世話焼き委員長に5年ぶりに再会する義妹、ちょっと変わったクラスメイト、幼なじみのお嬢様に囲まれて、にわかに騒がしくなってきた。友弥の気を惹こうとあの手この手で迫る女のコたち。女のコたちの好意は友弥に届くのか…？

2004年にリリースされた『アリスの館7』に収録された『しまいま。』の流れをくむゲームということでプレイ。一応、『しまいま。』のその後の世界が舞台なんだけど、登場キャラは主人公を含めてほぼ総取っ替えで、ストーリー的な繋がりは全くナシ。あくまでもゲームのノリというか方向性が似ている、というもの。ゲームと直接関係はないけど、『しまいま。』はALICESOFTから無料で公開されているので、興味があるならプレイしてみてもいいかも。こういう良質なゲームを惜しげもなく公開してしまうあたり、太っ腹というか好感が持てるね。

©ALICESOFT

さて、ゲーム自体はオーソドックスなコマンド選択型のAVGで、システム部分で特に変わった点はナシ。キャラの好感度が上がる選択肢を選ぶと効果音が鳴るので、攻略もそれほど難しくはない。低価格ソフトということで『ランス』シリーズとかと比べればゲームのスケールは控えめになっているけど、CG枚数48枚、イベント総数41と、一般的な低価格ソフトを上回るボリューム。シナリオのテキスト量も多いので、低価格ソフトといえどもしっかりと楽しめる内容だ。ただ、システム面ではクイックセーブの仕様に不満アリ。選択肢が出ているときはクイックセーブができない仕様なんだけど、これではクイックセーブの意味がない。通常のセーブは出来るので致命的ではないけど、改善してほしい点だ。

ストーリー面では通常イベントが楽しい。超鈍感主人公＋ベタ惚れヒロインズということで、女のコたちは主人公に対していろいろアプローチするんだけど、結局恥ずかしくなって逃げ出してしまったりとかね。かなりベタというかお約束の展開が多いんだけど、そのドタバタっぷりは素直に楽しめた。特に義妹の凛は普段はクールなのに、大好きなお兄ちゃんをほかの女のコの毒牙から守るために悪戦苦闘するところは萌えどころでしょう。とにかく主人公に甘えたいんだけど、恥ずかしくて甘えられないヒロインたちはとっても魅力的。いい意味でのぬるま湯状態を楽しめるのがこのゲームの最大の魅力かな。

魅力的なヒロインが登場する本作だけど、気になった点もある。1つは攻略可能キャラの人数。『しまいま。』では攻略可能キャラは2人だったのに対して『よくばりサボテン』では委員長の勇美、義妹の凛、クラスメイトの早月、幼なじみの秋奈、アルバイト先のお姉さんの絢音の5人＋隠しキャラの合計6人。人数は3倍に増えたにもかかわらず、ゲーム全体の規模は『しまいま。』と大差なし。というわけで、キャラ1人1人のボリュームはダウンしてしまった感じ。特に割を食ったのが早月、秋奈、絢音の3人。この3人はほとんどオマケ扱いなので、勇美と凛以外を目当てでこのゲームを購入するとがっかりしてしまいそうだ。また、『しまいま。』ではヒロイン2人の焼き餅合戦が凄く楽しかったんだけど、今作のヒロインはちょっと大人しめで焼き餅合戦はパワーダウン。これは一番期待していた部分だっただけに、ちょっとショック。期待が大きかったせいもあって、オススメ度はちょっと厳しめの☆3つ。とはいえ質、量ともに一般的な低価格ソフトのレベルを超えていることは確かなので、コストパフォーマンスは非常に高い。ハーレム系ラブコメが好きな人なら買って損なし、価格以上に楽しめるはずだ。

   使い方

攻略

レビューでも書いたように、好感度の上がる選択肢では効果音が鳴るので、これを手がかりにプレイしていけばキャラ別エンドは難しくない。キャラ別エンドをすべてクリアしたら、セーブ1をロードして朱鷺、ハーレムエンドをクリアしよう。

（by Suno）