りこりす-lycoris radiata-

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美しいメイドたちとの儚い恋物語

主人公の中津海燈和は、大学の夏休みを利用し、ヨットで列島一周の冒険にチャレンジすることを決意する。「自分探しの旅」という男のロマンを求め、周囲の反対を押し切り海原へと出航したのだが…。運悪く激しい高波と濃霧の影響で遭難してしまった。しかし、最悪の事態をなんとか回避し、謎の孤島に漂着することに成功したのだった。助けを求め島を探索する燈和は、広大な洋館で働く三人の美しいメイドたちと運命的な出会いを果たすことに…。船の修理が終わるまでお屋敷に滞在させてもらうことになるのだが、その短いながらも濃密な時間の中でメイドたちと触れ合い、そして恋に落ちていく燈和。船が直った暁に出航という別れの時が訪れるが、燈和はどんな決断を下すのだろうか？

このゲームは、三人のメイドと御館様だけが住んでいる謎の孤島に漂着した主人公が、運命的な恋に落ちていくという純愛AVG。館モノのゲームというと、妖しい雰囲気が漂う淫美なイメージを持たれやすいが、このゲームは甘酸っぱい青春風味。メイドさんとの日常会話やプチハプニングなどを、明るくコミカルなタッチで描いているのだ。ドロドロした陰謀チックな香りはしないので、純愛ゲームファンやメイド命ってユーザーにピッタリの作品だろう。もちろんホロッとさせる要素もある。また、分岐が比較的簡単なのも好印象。ゲーム序盤、島の歩き方で出会うメイドが決定し、一番最初に出会った女のコのシナリオが語られていく。難易度の高いゲームが苦手という人でも、安心して遊べると思うよ。

©テリオス

ただ、ゲーム性を求めてる人や、ノベル的な重厚なストーリー展開を期待してる人には、若干物足りなさを感じるかもしれないね。シナリオの展開が直線的なので、ストーリーの幅広さ・プレイヤーの自由度といった要素は少なめだ。個人的には途中で別キャラとシナリオがクロスし、泥沼の三角関係に陥るような修羅場も見たかったな。でも、作品のイメージが壊れちゃうから、ダーク風味なイベントを盛り込むのは避けたんだろうね。メイドさんの衣装も地味な王道スタイル。下着も白で清潔感重視。理想的なメイドさんと恋に落ちたいな、ってユーザーの夢を忠実に再現してくれた感じの作りだ。鬼畜という変化球はあえて使わず、直球ストレート勝負でメイドの魅力を表現している感じかな？

横田守の原画が大好きな拙者としては、鬼畜要素がなくても満足度は高く☆4つ評価。もし、鬼畜ルートがあったなら、さらにポイントアップしただろう（笑）。すべてのエンディングをクリアすると、ハーレムルートのおまけシナリオを遊べるのだが、メイド調教シナリオも用意してくれたら嬉しかったな。もしくは、下着カラーを黒に変更できるカスタム機能とか、なにかひと工夫欲しかった気もする。原画の魅力に加え、さらに＋αがあれば…というのが正直な感想だ。拙者は鬼畜ゲーム大好き野郎なので、こういう印象を抱いたけど、純愛ゲームファンなら今のパッケージで満足できると思うよ！　ぜひ、極上のメイドさんとの出会いを楽しんでほしい。

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（by イ・ヤン提督）