愛のチカラ

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実話がベースのストーリー

医療機器メーカーの営業の主人公は、取引先の病院で天真爛漫な白衣の天使、かれんと出会う。強くかれんに惹かれる主人公だったが、主人公の会社ではナースとの個人的付き合いは厳禁。さらに一癖も二癖もある医師やナースたちの存在によって、2人の距離は広がるばかり…。そんなある日、主人公は投稿写真雑誌を見て、その世界に強く惹かれていく…。

実話をベースにしたという、ちょっと変わった作品ですね。物語は主人公とかれんの出会いから結ばれるまでを描いたもの。付き合い始めてからは、縛りから野外露出、3Pなどのアブノーマルプレイのオンパレード。実話がベース（どこまでが真実かは分からないけど）ということで、アブノーマルといってもそれほど過激なものはナシ。いわゆる鬼畜系ゲーム、調教ゲームを見慣れたプレイヤーからはぬるく見えてしまうかも。とはいっても、あまりに非現実的なことをやってしまうと、リアリティーがなくなってしまうし、バランス的にはちょうどよかったんじゃないかな。

物語はほぼ、1本道となっている。分岐もあるにはあるけど、分岐はすべてバッドエンドなので、実質的に1本道といってもいいでしょう。ストーリー展開はある意味リアルなもの。病院が舞台ということで、白い巨塔的なものを想像してしまう人もいるかもしれないけど、そんな壮大なものはまったくない。ひたすら主人公とかれんの関係を描くのがメイン。2人の関係も調教とかの鬼畜なものではなくて、純愛ストーリーに近い。愛情のあるアブノーマルプレイという感じだ。エンディングも、ビバ！　変態ライフという感じだしね。こぢんまりとしてはいるけど、よくまとまった物語という印象。

©シルキーズ

肝心のＨシーンに関してはなかなかの充実ぶり。シーン数で31あり、内容的にもバラエティに富んでいて、テキストのクオリティも高い。イベントの内訳は2/3がかれんのもので、アブノーマルＨ。残りの1/3はサブキャラのイベントで、こちらの方はノーマルなＨオンリー。老舗メーカーのシルキーズということで、CGのクオリティも満足の出来。オカズゲーとしても十分満足できる内容でしょう。ただ、不満なのは差分抜きで50弱と、CGの絶対数が少ないこと。差分をうまく使ってプレイ意中は気にならないようにはなっているんだけど、もうちょっと頑張ってほしかったなぁ…。あと、個人的には、純愛ストーリーで3Pはどうかなぁ…と。鬼畜系のストーリーであれば気にならないんだけどね。

そして、個人的に面白かったのがゲームクリア後に見ることのできる「かれんの気持ち」というオマケ。これはストーリーのダイジェストを見ることのできるもの。ゲーム本編は主人公の一人称視点なんだけど、ここではかれんの視点で物語を見ることができる。しだいに主人公に惹かれ、アブノーマルプレイにハマっていくかれんの気持ちがよく表現されていると感じた。これを見てからもう1度本編をプレイすると、かれんに対する愛着が結構違ってくるかも。

プレイしていて一番気になったのが、エンディングの多さ。エンディング数はなんと30。しかも、そのうち29はバッドエンド。これは少しやり過ぎだったんじゃ？　間違った選択肢を選ぶと即バッドエンドになってしまうので、選択肢が出てくるたびにセーブをしておけば、簡単にすべてのエンディングを制覇できるとはいえ、さすがに途中で挫けそうになってしまった。しかも、思わず「なぜ!?」と叫んでしまいたくなるような理不尽なものも結構あったりして…。まあ、バッドエンドにも大量のＨイベントが用意されているので、プレイヤーが飽きにくいようにはなっているんだけどね。これならエンディング数を減らして、ルート分岐をもうちょっと複雑にした方がゲームとしても楽しめたんじゃないかな。

全体的に見て、純愛ベースのライトSMとしてはなかなか楽しめる秀作という感じ。オススメ度★4つにしようかとも思ったんだけど、CGの少なさ、バッドエンドの多さをマイナスして★3つとした。難易度は低いので、お手軽にＨシーンを楽しみたいという人にもオススメ。

（by Suno）