閉鎖病棟 THE GAME

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乱れた病院内で目撃するさまざまな情事

存在感が希薄な主人公は看護士として石川総合病院で働くことになった。そんな彼は新人紹介でも紹介をされ忘れるほどだ。完全に空気のような存在である彼の趣味は盗撮。当然、主人公は病院内で盗撮していくことを企むのだが……。

© Digital Works/cyon

バニラのエロアニメ『閉鎖病棟』をアレンジして、ゲームに仕立てたのが本作だ。アニメがお気に入りだった人はどのようにアレンジしたのかという視点で楽しむことができると思うけど、ゲームはアニメのシーンを利用しているから見たことのある人には微妙な感じがするんだよね。見たことがあると楽しみが半減する可能性が高いかな。アニメをまだ見たことがない人は、本作で40分ほどのアニメを見られるのが嬉しいかもしれないね。

本作の舞台となっている病院は、医師や患者たちもエロまみれだ。盗撮を目論む主人公は、竹林先生が患者に必要もないのに浣腸をして楽しんでいるのを目撃したり、院長と婦長の不倫を目撃したり、超強力な精力剤を飲まされた若先生や患者に襲われる看護婦たちを盗撮していくことになる。

© Digital Works/cyon

システムは基本的にアニメのシーンが再生されるため、メッセージなどは選択肢が出る前後にしか表示されない。また、セーブとロードはメッセージが表示されているときのみ可能で、アニメの再生中は利用不可となっている。マウスのホイールを回転させることでアニメの倍速再生が可能だが、倍速再生をすると音声が聞き取れないのがつらい。1.3倍速や1.5倍速などもあったほうがいいんじゃないのかなぁ。あとは巻き戻しやリピート再生なんかもあったほうがよい気がする。アニメ自体はDVDのデータから作成されたようだけど、逆テレシネをしていないようでスクロールなどがカクついたり、インターレースの解除ミスがある部分があったのが残念だった。ちなみに、おまけはアニメがベースなので回想シーンのみとなっていて、全部で10シーンが登録される。

なお、今回は500個限定発売のUSBメモリ版でプレイしてみた。オートランが有効な場合はUSBメモリを差し込むだけでゲームが起動する。ゲームをインストールする必要はない。そのまま遊べる作りだ。DVDPGよりもお手軽かもしれないね。それと、USBメモリの容量は2GBだった。ゲームのファイルが764MBなので1GB以上の空き領域がある。限界までファイルを入れてしまうとゲームのセーブデータが保存できなくなってしまうが、そこそこ使える容量が空いているのは嬉しい部分かな。ゲームがつまらないからいらないやと思ったり飽きたりしたらゲームのファイルを消すこともできる。ハードディスクにバックアップしてから消すというのも可能だ。そうすると純粋に2GBのUSBメモリとして使うことができる。USBメモリとして発売されるエロゲーとしては初めての製品であるため、調達したUSBメモリによって速度が異なるかもしれないので参考程度にしかならないと思うけれど、「CrystalDiskMark 2.2」での速度計測結果も掲載しておきますね。うちの製品は残念ながらWindows VistaのReadyBoostには対応できない性能でした。読み込みは問題ないんだけど、書き込みのほうが思いのほか遅い感じだなぁ〜。特にRandom Writeの4KBが……。でも実際にハードディスク内にあったJPEG画像（1枚200KB程度）を総計1GBほどを書き込んだ場合は、ほかに持っているUSBメモリと比べてそれほど目立った遅さは感じなかったかな。執筆時点(2009/04/07)で2GBのUSBメモリは、価格.COMで安い順に並べて2GBを見てみると最安値は525円。さすがに最安値付近のは遅かったり品質に不安があったりするので、SONY製品の最安値で見てみると820円。ゲームが好みに合わなかった場合でも、だいたい525〜800円ぶんぐらいの価値はあると考えてもよいかもしれませんね。

とはいえ、本作全体を見た結果は、はっきりいってDVDでアニメを見たほうがよいんじゃないかなというのが正直な感想だった。アレンジのためにシーンが細かくぶつ切りされていて、「このゲームおかずに使えるの？」と思ってしまったためだ。クリアして回想モードから見ればいいのだろうけど、それならば最初からDVDで見たほうが……ということになる。でも、まだアニメの『閉鎖病棟』を見たことがなくて、ゲームに興味を持ったのならばプレイしてみるのもよいんじゃないかな？　DVDで前後編を買うよりは安いしね。

   使い方

攻略

出現する選択肢を総当たりでプレイしないとシーンのコンプリートができない作りとなっていた。まあ、原作アニメをアレンジしているんだから、普通に考えてそういう作りになるよね。予想通りの構成だった。

（by 伊織舞也）